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今すぐできるPostgreSQLチューニング
今すぐできるPostgreSQLチューニング

第6回:ファイルシステムで、もう一歩の性能アップ
著者:日本PostgreSQLユーザ会  片岡 裕生   2005/8/31
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総まとめ

   以上で、PostgreSQLの基本的なチューニングは終わりです。今回を持ちまして当連載も終了となります。

   この連載では、PostgreSQLをインストールしたら何はともあれ行うべき基本的なチューニングをピックアップして紹介してきました。

   デフォルト状態とチューニング後とでベンチマークの結果を比べてみればわかっていただけると思いますが、ここまでやってはじめてインストールが終わったといっても過言ではないほどです。何しろこれだけの性能差があるわけですから、デフォルト状態のままでPostgreSQLを使うなんて、とても考えられないことなのです(図2)。

デフォルト状態とチューニング後
図2:デフォルト状態とチューニング後

   今までチューニングをしてきて、読者の皆さんはどう思われましたか?

   巷の評価では速度面で誤解されることが多いPostgreSQLですが、現在のPostgreSQLは正しくチューニングさえしていれば十二分な性能を発揮する能力を秘めています。

   つまり「PostgreSQLはエンタープライズ環境でも利用できるフルスペックRDBMS」です。そのことを1人でも多くの方に知っていただきたいと思い、今回このような連載を書かせていただきました。PostgreSQLへの理解を少しでも深めていただけたら幸いです。


おまけ:PostgreSQL 8.1 Beta1リリース!

   2005年8月25日、PostgreSQL 8.1 Beta1がリリースされました。リリースに関する案内は下記URLにあります(英語)。

Its Beta Time Again ... 8.1 Beta 1 Now Available
http://archives.postgresql.org/pgsql-announce/2005-08/msg00010.php
   主な拡張点としましては次のものがあります。

  • 性能向上
  • バキュームの自動化(現時点ではデフォルトでオフ)
  • Two Phase Commitのサポート
  • ビットマップスキャンのサポート
  • GiSTインデックスの高性能化、高信頼性化
  • コネクションリミット(ユーザやデータベースごとの接続数制限)のサポート
  • その他、多数の機能拡張
   特に性能向上は目覚ましく、それだけのために8.1にバージョンアップする価値があるほどです。8-wayや16-wayなどの多CPU環境でのスケーラビリティが向上しているのも新バージョンの特徴です。

   なお本年内には正式リリースされる見込みですが、お時間のある方は是非ベータ版をダウンロードしてご自身でその性能を体験してみてください。ベータ版といえども非常に安定していますので安心して試用できます。前のバージョンには戻れなくなること請け合いです。

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日本PostgreSQLユーザ会 片岡 裕生
著者プロフィール
日本PostgreSQLユーザ会  片岡 裕生
1995年よりインターウィズという屋号で個人事業を営む。普段はPostgreSQLを用いたウェブアプリケーション開発などを行う。各コンピュータ情報誌にてPostgreSQL関連記事や連載を執筆。日本PostgreSQLユーザ会の創立メンバーの1人で、同会の技術担当理事、PostgreSQLのしくみ分科会座長を経て、2004年度からは理事長を勤める。


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