第2回:コーディングレベルを上げるためには? (2/3)

Javaコーディング規約
Javaコーディング規約

第2回:コーディングレベルを上げるためには?
著者: 電通国際情報サービス  高安 厚思、東田 健宏
エー・ピー・アイ  森田 健    2005/8/23
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レベル5:柔軟性/拡張性が高いプログラム

   レベル5のプログラムのソースコードは、レベル4の問題点を克服し、柔軟性も拡張性も高いプログラムになっています。
Text  レベル5のソースコード   (クリックするとソースコードが表示されます)
   レベル5のプログラムには主に以下のようなポイントがあります。

  • レベル5で終わりではない
  • 柔軟性と拡張性を意識したオブジェクト指向設計
  • 案件に応じた、ゴールの見極め

表3:レベル5のソースコードのポイント


レベル5で終わりではない

   商品をクラスへ分割し、そのオブジェクトを共通に扱えるようにインターフェイスを決めたことで、ソースコード上からswitch文がなくすことができました。これより仕様変更に対しての柔軟性や拡張性が高いプログラムになっています。

   しかし、レベル5で終わりではありません。さらなる仕様変更に対しても柔軟に対処できる設計として、「柔軟性・拡張性を意識したオブジェクト指向設計」を行うことと「案件に応じて、ゴールの見極め」があります。


柔軟性と拡張性を意識したオブジェクト指向設計

   より多くの柔軟性と拡張性を求めれば、ソースコードを変更することなくシステムに修正を入れることができるようになります。

   たとえば、初期化の部分です。これも「DI(Dependency Injection)コンテナ」と呼ばれる手法を用いれば、より柔軟性と拡張性を持った設計にすることができます。


案件に応じた、ゴールの見極め

   システムの拡張や変更が継続的に予想される場合や、あらゆるシステムで使用されるような場合、レベル5よりも高いレベルの柔軟性と拡張性が必要になります。

   しかし、柔軟性と拡張性が高いプログラムが、常に求められるわけではありません。柔軟性と拡張性を見越したコーディングは、プログラムに無用な複雑さを持ち込んでしまいますし、実装にも時間がかかります。


上のレベルに上がるためには?

   サンプルプログラムを元に、ソースコードのレベルについて説明してきました。レベル3にあがるためには今後説明していく規約を勉強すればよいわけですが、それよりも上のレベル、つまりレベル3、レベル4、レベル5よりレベルを上げるためにはどのようなことをしたらよいでしょうか。レベルごとに説明していきたいと思います。


レベル3を抜けるためには?

   レベル3のプログラムから上のレベルにあがるためには以下のようなテーマに取り組む必要があります。


ひとつひとつの機能のまとまりを意識し、メソッド分割すること

   レベル3は、インデントやネーミングなどは守られていましたが、メソッド分割はされていないプログラムでした。機能に着目し、メソッド分割をすることは、「同じコードを二度書かない」「役割は1つに」につながります。


メソッド分割のポイントは?

   メソッドが長いコードは、だらだらと頭に浮かんだコードを、そのまま実装したような印象を受けます。プログラムを書く時は、処理のブロックを考え、まずブロックをメソッドとして最初に定義することが大切です。文章を書く時の「まず目次を決める」ということと同じニュアンスです。

   このようにコーディングはメソッドの骨組みができた後で、各メソッドの処理内容を記述していきます。そうすれば、各メソッドを見ることにより、仕様上に抜けがないか確認することができます。


同じコードを二度書かない

   同じコードを繰り返し書いてしまうのは、「仕様変更は有り得ない」とか、「仕様変更の時に、何ヵ所も修正することが苦痛ではない」といった考えがあるのかもしれません。

   しかし、同じコードを二度書かなければ確実にコードの保守性が向上します。同じコードを何度も書いていると、仕様変更があった場合、そのコード全てに対して変更を行わなければなりません。

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株式会社電通国際情報サービス 開発技術センター 高安 厚思
著者プロフィール
株式会社電通国際情報サービス  高安 厚思
株式会社電通国際情報サービス 開発技術センター
Java(J2EE)/オブジェクト指向の研究開発やプロジェクト支援、開発コンサルティングに従事。モデル、アーキテクチャ、プロセスが探求対象。今回は Javaコーディング規約2004の仕掛け人。


株式会社電通国際情報サービス 開発技術センター 東田 健宏
著者プロフィール
株式会社電通国際情報サービス  東田 健宏
株式会社電通国際情報サービス 開発技術センター
CTI、Webアプリの開発経験を経て、現在は主にプロジェクトマネジメント支援、プロセスエンジニアリング、ソフトウェア工学研究開発に従事。最近はコーチング、ファシリテーションといったヒューマン系スキルに興味を持ち日々修得に努めている。


株式会社 エー・ピー・アイ 森田 健
著者プロフィール
株式会社 エー・ピー・アイ  森田 健
コードが単純になるには?見やすいコードを書くには?を日々模索しています。「コードがドキュメントだ」が、口癖な他称人間コンパイラ。


INDEX
第2回:コーディングレベルを上げるためには?
  レベル3:読みやすくなっているが、コードを分割できていないプログラム
レベル5:柔軟性/拡張性が高いプログラム
  レベル4を抜けるためには?
Javaコーディング規約
第1回 良いコードとは、心得5ヶ条
第2回 コーディングレベルを上げるためには?
第3回 ネーミング規約(前編)
第4回 ネーミング規約(後編)
第5回 フォーマットに関するコーディング規約
第6回 オブジェクト指向のためのコーディング規約
第7回 変数に関するコーディング規約
第8回 文字操作・数値・日付に関するコーディング規約
第9回 継承とインスタンスに関わるコーディング規約
第10回 制御構造に関する規約
第11回 コレクション・ストリーム・例外に関するコーディング規約
第12回 スレッド・ガベージコレクションに関するコーディング規約

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