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IdbA
IdbAで構築する生産性が高いリッチクライアント

第1回:Rimless Computingとは?
著者:サイオ  安田 知弘   2005/8/18
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IdbAの実装とプログラミング

   Rimless Computing環境では、ソフトウェアの動作時に複数のソフトウェアの構成機能(ソフトウェア部品)を結合し、1つのソフトウェアとして構成します。この役目を担うのが「IdbA」です。
IdbAのしくみ
図4:IdbAのしくみ

   IdbAは、対象とするJavaクラスとそれらのインスタンスをそれぞれデータベースによって管理します。また、生成されたインスタンスの間での検索/イベントの中継/状態のシリアライズなどのサービスを提供するためのAPIを持ちます。IdbAはJavaインスタンスを外部から受信することも可能です。また、継承クラスのインスタンスを親クラスのインスタンスから生成することなども可能です。


Rimlessの近い将来

   IdbAが実現するRimless Computing環境は、単なるソフトウェア・メンテナンスのしくみではありません。具体的な応用の実績例は、次回以降に譲るとして、いくつかの可能性を例示します。

   では、移動するPCへの動的なソフトウェア部品の配信を考えて見ます。

ソフトウェア部品の配信
図5:ソフトウェア部品の配信

   ユーザのPCはZone1からZone3へと移動して行きます。このZoneの1つ1つはビルの別々のフロアであったり、携帯電話の基地局がカバーする範囲ほどの別々の地域であるかもしれません。

   PCは、そのZone内でサービスを受けるのに必要なソフトウェア部品の動的な配信を順次受けます。配信を受けたPCは、ユーザ自身のソフトウェアと、それらの配信された部品を結合することにより構成されるソフトウェアを利用し、Zone内のサービスを受けます。配信されたソフトウェア部品には、そのZoneの中でのみ提供されて意味のある固有のWebサービスを利用するソフトウェア部品があるかもしれません。

   そのような場合、Zoneを移動することによって不要になったソフトウェア部品は破棄されます。Rimless Computing環境では、このようなダイナミックなソフトウェア供給が行われます。

   どこに移動するかわからないPCに、すべてのゾーンで必要な機能を満載したソフトウェアを予め搭載することは、行き先が決まってない旅行のために世界中の都市の地図を集めるようなものです。移動している間に環境が変化してしまうことも当然あり得るのです。

   もう1つの可能性として、Rimless Computing環境での情報配信をあげてみます。

   今まで一貫して、ソフトウェア部品という表現をしていましたので、配信されるものはソフトウェアの一部という観念ができてしまったかもしれません。しかし、配信されるソフトウェア部品のほとんどがデータの場合、データを主体に考えるとソフトウェア部分がついたデータとみなすこともできます。

   従来のデータ配信は、受動的な情報しか配信できませんでした。つまり、どんなユーザが受取っても同じ表現を持つデータです。Rimless Computing環境では、配信する情報にプログラム部分が付けられます。すなわち、ユーザや環境に反応する(能動的な)情報が配信できるのです。このことの意味は読者の皆様で一考してみてください。

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株式会社サイオ 安田 知弘
著者プロフィール
株式会社サイオ  安田 知弘
サイオのファウンダーとして1993年11月より代表取締役社長に就任。1980年より株式会社東海クリエイト(現株式会社クレオ)のシステム開発プロジェクトに参加し、当時トップシェアとなった日本電気PC-8801(8bit)用日本語ワードプロセッサ「ユーカラ」や統合型ビジネスソフト「ビジコンポ」の設計・開発を行う傍ら、東海クリエイトの関連会社であった株式会社ワイエス(後、株式会社クレオアールアンドディに商号変更)の経営にも参画。サイオ設立後、次世代エンドユーザーコンピューティングモデルRimlessComputing」を考案し、「RimlessComputing」をベースにした「IdbA」を設計開発し、現在に至る。現在、東京理科大学内ベンチャー企業「株式会社エクサ」の非常勤役員を兼任。


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第1回:Rimless Computingとは?
  Rimlessって?
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