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Big Brotherによるネットワーク監視 |
第1回:ネットワーク監視とは何をするのか
著者:イー・アクセス 矢萩 茂樹 2005/9/14
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ネットワーク監視ソフト
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ネットワーク監視は、ネットワークの発生から語られる定番の分野になっており、ネットワーク監視システムはそれ自体が1つの分野を成立させるほどいろいろなものが開発されています。
今回紹介するBig Brother(以下BB)は、オープンソースベースの監視システムです。フリーで使えるソフトウェアとしては見やすい画面で最近多く使われてきているNagios(NetSaint)や、Javaベースで多くのOSで稼働するOpenNMSなどがあります。
BBは1996年から開発が継続されまだ生き続けている古参のソフトです。ライセンスに使用制限はありますが、他のソフトに比べて簡単な設定だけで安定して使えるうえに、強力な拡張性を持つなどの特徴があり、いまだ根強い人気を誇っています。
本連載ではオープンソースのUNIX版のBTF(Better Than Free)版をもとに説明していくことにします。
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BBの特徴と利点
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BBの特徴を以下にあげてみます。
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- オープンソースベースでの監視システム
- シンプルであるが十分な情報が盛り込まれているWeb GUI
- HTTP/DNS/SMTP/POP3/FTP/sshなど標準サービス監視に対応
- 多くのプラットフォームでサーバとして稼働
- 多くのプラットフォームのリソース監視を実現
- 監視設定ファイルは/etc/hostsファイルと形式がほぼ同じで設定が簡単
- 監視のワークフローがのっており効率的に障害ポイントに到達可能
- 機能ごとにモジュール構造をとっており分散処理が可能
- 機能拡張IFが公開されており非常に多くのExtensionが開発されている
- 根強いサポートコミュニティの存在(英語)
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BBでの監視ノード稼働状態表示
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ここでBBの監視画面を紹介していきましょう。BBのトップ画面は図6のような画面になります。

図6:Big Brother監視システム (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
各監視対象はセグメントごとにグルーピング化されており、ネットワークのイメージが把握しやすいように設定しています。ここであるセグメントのホスト稼働状態を拡大表示したものを図7に示します。

図7:監視状態表示 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
この表は監視対象を列、監視項目を行にした稼働状態表で表示しています。監視対象が画面左の列にノード名として表示され、そこから右側にはそのノードのサービス稼働状態を示すアイコンが並ぶ表として表示されます。
BBでは各アイコンにより稼働状態を表します。BBで使われるアイコンは"緑"なら稼働状態OK、"黄"なら稼働状態注意、"赤"なら障害状態を意味します。また、ルータとサーバでは確認項目が異なるように対象ノードごとに監視処理を行わない項目もあります。この項目については監視対象外を意味する"-"で表示されます。
つまり"緑"アイコンが表示されていればその機能は問題なく稼動していることを示しており、それ以外の色のアイコンが表示されている場合には、なんらかの問題が発生している可能性があることになります。
図7の例では、dns.xy.jpのsmtp試験とプロセス(procs)監視項目に"赤"アイコンが点滅しており、他の対象の稼働状況は"緑"となっています。この状態はIP疎通上では他のホスト含めて問題がなく、dns.xy.jpのsmtpサービスのみが使用不可な状態であり、このホストにおいてプロセス異常が発生しているということを意味しています。
このように一目でほかのホストを含めたネットワークの「状況把握」と「原因確定」が可能です。
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著者プロフィール
イー・アクセス株式会社 矢萩 茂樹
2000年、個人で使えるメガレベルのサービスを目のあたりにして同社立ち上げに参加。ADSLによるブロードバンドIPネットワークの設計・企画に従事。その関連で気軽に使えるネットワーク監視手法についての検討からオープンソースベースのツールをInternetWeekなどで紹介するにいたる。現在、空気媒体のブロードバンド実現に向けて奮闘中。
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