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ブレードサーバによる仮想化テクノロジーの活用
ブレードサーバによる仮想化テクノロジーの活用

第2回:ブレードサーバの仕組みと管理ツール
著者:日本ヒューレット・パッカード  森田 宏   2006/2/20
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管理ツールによる一元管理

   プロビジョニングと同様に、ブレードサーバの障害管理や資産管理も大量のサーバを管理するための工夫が凝らされている。

   各社とも、サーバ製品付属のツールにより、ブレードサーバの管理機能を提供している。例えばHPでは、ブレードサーバ関連の管理ツールをはじめとするツール群をSystems Insight Managerによって、一元的に管理が行える。

   ブレードサーバの場合には、エンクロージャ内のスロット情報などを利用して、サーバの位置情報を容易につかめるようになっている。これにより、管理者は対応の必要なサーバの物理的な位置関係と、論理的な情報の結び付けを行えるようになる。

   図4のようにエンクロージャ単位で多数のサーバのステータスを一元的に管理できるため、従来のサーバのように物理的に分散した環境での管理に比べて直感的にわかりやすくなり、管理が容易になる。さらに、エンクロージャ内にあるネットワークやSANに関しても一元的な管理を実現できる。

BladeSystem Integrated Managerの画面
図4:BladeSystem Integrated Managerの画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   また、プロビジョニングツールや仮想マシンの管理ツールなどを統合して利用できるので、障害発生時に予備機をセットアップするなどの柔軟な対応が可能となる。特にブレードサーバの場合には、このような管理ツールの連携により容量追加や障害対応などに威力を発揮する。


プラットフォームとしてのブレードサーバ

   もともとブレードサーバは、iDC(Internet Data Center)などで大量のサーバを集約するような用途を想定して開発されていた。

   そのため、ブレードサーバが登場した頃のサーバスペックは、集積度という点が強調され、その他の部分があまり重視されておらず、CPUスペックを犠牲にして、大量のサーバ搭載を前面に押しだしたブレードサーバが主流だった。そのため、ブレードサーバの用途としてWebサーバなどの比較的軽い負荷の業務にしか使えないという認識が多かった。

   しかしこの3〜4年で、集積度の高いブレードサーバからラックマウント型のサーバと同等の性能や機能を持つブレードサーバに急速に移行している。その理由として、ブレードサーバの市場が広まるにつれ、サーバの標準化やサーバの統合プラットフォームとしての機能をブレードサーバに求めるようになってきたからだ。つまり増えすぎた社内のサーバを集約して、一括管理できる製品として注目されるようになってきているのである。

   そのためサーバの集積度だけではなく、機能面に重点が置かれるようになってきた。例えば、既存のサーバから移行できるだけのCPU性能、ストレージの集約やネットワークの統合に耐えうるSANやネットワークの拡張、そして大量サーバの管理を提供するツールの機能などに重点が置かれるようになっている。

   ブレードサーバが、最新型のラックマウントサーバなどと同等のパフォーマンスを持ったことで、既存のスケールアウト構成のサーバをブレードサーバでより少ない設置面積や台数で集約することが可能となった。また、この環境にストレージやネットワークも含めて統合的に集約が進められると考えられる。

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日本ヒューレット・パッカード株式会社  森田 宏
著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社  森田 宏
テクニカルセールスサポート統括本部IAサーバ技術部 部長。
1995年にコンパック(現日本ヒューレット・パッカード)へ転職後、一貫してx86サーバProLiantの技術支援に従事。HPの技術支援部隊を率いる傍ら、新製品の技術的な啓蒙を中心に活動を続ける。現在は「ブレードサーバ」と「仮想化技術」の導入促進に取り組む。


INDEX
第2回:ブレードサーバの仕組みと管理ツール
  プラットフォーム標準化の切り札
  ブレードサーバとエンクロージャ
管理ツールによる一元管理
  ベンチマークテストによる比較考察