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飛躍するオープンソースベンチャー企業
オープンソースを武器に拡大戦略をとるワイズノット
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— ここ最近のオープンソースへの投資としては、コミュニティへの支援なども発表されていますね

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嵐氏:コミュニティへの支援自体は、以前から地道にずっとやってきました。Eclipseのコミュニティなどにもサーバを提供しています。PHPのセキュリティのコミュニティを神戸支社の人間が立ち上げていたり、社内でもコミュニティを立ち上げている人間がたくさんいますから、そういうところにもサーバを提供しています。世の中にレンタルサーバ業者はたくさんありますが、OSSにフル対応しているところは少ないんです。セキュリティパッチを当てたいと言っても、すぐ対応してくれなかったりして、危険なんですよ。


— コミュニティの支援をしていくのは、ビジネスとは別だという考えですか

嵐氏:そこはビジネスではないです。自分たちで使ってるものですからね。Eclipseも、PHP(PHP: Hypertext Preprocessor)より早くから使っていました。自分たちがお世話になっている分、これを使ってくださいとご利用いただいたということです。


— 現在のIT産業構造に対して思うことがあれば教えてください


嵐氏:ピラミッド状の下請け構造がよくないです。派遣事業をやっていたので、そこはものすごく矛盾を感じていました。企業には、使い捨て的な発想がある。一般事務職でもエンジニアでも、採用するのは35歳未満です。35歳までにある程度のキャリア積まないと、次のステップに行けないわけですよね。しかし、この業界はメインフレームからオープン系にシフトしてきてはいますが、昔だとあるシステムに10年20年張り付かせる。もう移動できないし、キャリアアップできないんですよ。

嵐 保憲氏    オープンソースならソースコードが公開されているので、引き継ぎができます。だから、キャリアをアップさせてあげることができる。オープンソースになると働き方が変わると思うので、それによって業界構造を壊そうと思っています。また、メインフレーム系だとサーバがお客様のところにあるので、エンジニアがそこに張り付かなければならない。

   でも、オープンソースのウェブシステムであれば、データセンターで管理できるので、持ち帰りができます。キャリアをしばりつけることがなく、社内でブラッシュアップもできます。ただし、教育・トレーニングのため、経験の浅い人は逆に客先に出向しなさいと言っています。お客様と直接やりとりするほうが厳しいですから、それを体験してほしいですね。


— この先注目している動きは何ですか


嵐氏:2004年の秋口からオープンソースの企業事例がアメリカのニュースメディアでに取り上げられるようになりました。そういうアメリカの新興企業がどう定着していくかに注目しています。IT業界ではアメリカで成功したものが日本にも入ってくるので、そういう企業の動きが世の中を変えていくでしょう。その時にワイズノットという会社がオープンソースの世界でしっかりと地位を築いて、お客様の信用を得ていられればいいなと思っています。


— どうもありがとうございました。


株式会社ワイズノット 代表取締役社長 嵐 保憲氏

株式会社ワイズノット
代表取締役社長 嵐 保憲氏

株式会社ワイズノットはオープンソースに専門特化したシステムインテグレータ。創業者で代表取締役の嵐 保憲氏はリクルートで営業職、インディゴで経営企画に携わった後、オープンソースに魅かれて起業を決意した。

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