 |
|
前のページ 1 2 3 4 次のページ
|
 |
BIRT(Business Intelligence and Reporting Tools)
|
BIRTは、レポーティング機能を企業内のJavaアプリケーションや商用製品に容易に統合できるようにすることを目的として、2004年9月からEclipse Foundationで開発が進められているオープンソースのリポーティングソフトウェアである。
これは、ソフトウェア開発のライフサイクル全般に渡ってオープンソースのツールとフレームワークを提供するというEclipse Foundationの戦略にのっとったものであり、BIRTは7つのトップレベルプロジェクトの1つに位置づけられている。
BIRTはJavaベースのWebアプリケーションであり、アプリケーションサーバ用のランタイム・コンポーネントを含むJAR(Java Archive)ファイルがEclipseプラグインとして提供されており、優れたGUIを備えたリポート作成ツールから構成される。また、オープンなフレームワークを採用しているため、様々なデータソースに柔軟に対応できる。
BIRTの構成(図1)と主なコンポーネントを以下に示す。

図1:BIRTの構成 出所:Eclipse BIRTプロジェクト
- レポートデザイナ(Report Designer)
- Eclipseのワークベンチ上で動作するグラフィカルなレポートデザイナ
- レポートデザインエンジン(Report Design Engine)
- レポートデザインファイル(Eclipse BIRTで作成されるXMLファイル)生成コンポーネント
- レポートエンジン(Report Engine)
- レポートデザインファイルのHTMLまたはPDFフォーマットへの変換を行うコンポーネント
- チャート化エンジン(Charting Engine)
- 数値データをパイチャート、ライン&バーチャートなどの図表形式に変換するエンジン
表2:BIRTの構成
BIRTは、Java開発者がレポーティングの機能をアプリケーションに容易に埋め込めるように設計されており、HTMLやPDF形式のレポートであれば、数時間程度で作成することができる。このため、これまで分析やレポーティングの機能のコーディングに費やしていた時間や手間を省くことができ、エンジニアはビジネスロジックの開発に集中できることになる。
また、国際化およびローカライズ機能をサポートしており、国や言語ごとにレポートをカスタマイズする作業が不要である(中国語、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、スペイン語に対応)。
なお、BIRTはもともとBIベンダーのActuateがEclipseに寄贈したものであり、BIRTに関する専門的なサポートやメンテナンス、トレーニングはActuateから提供される。同社ではBIRTに独自の改良を加えたパッケージを「Actuate BIRT」として提供している。
バージョン1.0が2005年6月にリリースされた後、2006年1月にはバージョン2.0がリリースされており、この2.0が現状の最新版ということになる。
バージョン2.0で追加された機能は以下の通りである。
- レポートコンポーネントの再利用が可能なライブラリ
- 作成したレポートコンポーネントを組織内、もしくはオープンソース・コミュニティ内で共有することができる
- ページ・オンデマンド・ナビゲーション
- 大きなサイズのレポート文書の閲覧をインターネット経由でも効率よく行えるようにする機能
- 外部のスタイル・シートの共有
- アプリケーション内の全レポートで容易にデザインの統一をはかることが可能
- ドラッグ&ドロップでレポートを作成可能な操作体系
表3:BIRTの新機能
このBIRT 2.0には、Actuateのほか、IBM、Pentaho、Zend Technologiesなどがサポートを表明している。
|
前のページ 1 2 3 4 次のページ
|

|
|

|
著者プロフィール
野村総合研究所 城田 真琴
IT動向のリサーチと分析を行うITアナリスト。大手メーカーのシステムコンサルティング部門を経て2001年、野村総合研究所に入社。専門は、BIの他、SOA、EAなど。最近はSOX法対応ソリューションのリサーチを手がける。著書に「EA大全」(日経BP社)、「2010年のITロードマップ」(東洋経済新報社)(いずれも共著)など。
|
|
|
|