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OSS導入実態
Linux/OSSの導入実態と今後の展望

第1回:オープンソースソフトウェアの導入状況
著者:矢野経済研究所  入谷 光浩   2005/4/13
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OSSの導入理由

   OSSの導入理由として最も多かったのは「TCO削減効果を期待」で49.5%となった。TCOについてはよくOSSと商用ソフトウェアで議論になっているが、約半数のユーザが導入理由として挙げていることからわかるように、OSSにコストメリットを期待するユーザは多いようである。
OSSの導入理由
図4:OSSの導入理由(複数解答可)


   2番目に多かったのは32.2%の「ベンダー/SIerからの提案」となった。この結果から、OSSの導入に際してはSIerからの働きかけが大きな後押しとなっていることがうかがえる。OSS検討中のユーザでも、検討している理由としてこの項目が30%となっており、今後のOSSの導入にはベンダーやSIerからユーザに対する積極的な提案がポイントになってくることは間違いない。とくに公共では41%が導入理由として挙げており、その傾向は強いと考えられる。また、機能・性能、セキュリティ性などOSSが持つソフトとしてのポテンシャルの高さを導入理由としているユーザも20%前後となっている。


OSS導入の今後のポイント

   今回の調査において、OSSの導入率は32%という結果となった。また、今後の導入に興味を示しているユーザも30%近くいることから、これからの成長が期待できる。よく一般に、公共ではLinuxなどのOSSが導入されていると言われていたが、それが今回の調査によって具体的な数値で証明された。

   そうなると今後のポイントは民間企業での導入がどれくらい進むかということになる。サービス業では高い導入率を示しているが、その他の業種ではまだこれからという感がある。特に国内産業の多くを占める製造業での導入がポイントになってくるのではないだろうか。

   OSSを導入する要因として最も多いのはコストの削減効果である。よくOSSを導入したらTCOは減るか、逆に増えるか、という議論があちこちであるが、ユーザの認識の中はコストの削減効果への期待があることは間違いない。この辺をベンダーやSIerが上手く提案していければ、より導入が進んでいくだろうと考えられる。

   次回はOSSの中で最も著名であり、期待を一身に背負っているLinuxの導入に関して詳細な分析を行う。

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書籍紹介
「企業情報システムにおけるLinux/オープンソースソフトウェアの導入実態と今後の展望 2005」

本記事は矢野経済研究所より発刊されている「企業情報システムにおけるLinux/オープンソースソフトウェアの導入実態と今後の展望 2005」から抜粋し、加筆、修正を行ったものです。上記調査資料には、さらに詳しいデータや分析結果が記載されています。調査資料のご購入は下記のリンクより行えます。

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矢野経済研究所
著者プロフィール
株式会社矢野経済研究所  入谷 光浩
民間総合調査会社である矢野経済研究所のITリサーチ部門にて、サーバやミドルウェアを中心としたエンタープライズコンピューティングのリサーチを担当。近年はエンタープライズにおけるOSSの市場動向に着目しリサーチを行っている。


INDEX
第1回:オープンソースソフトウェアの導入状況
  オープンソースソフトウェアの導入実態に関する調査内容
  OSSの導入状況
OSSの導入理由