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OMG Chairman Interview in UML Forum/Tokyo 2005
OMG会長がソフトウェア開発におけるモデリングと認定資格の重要性を語る
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津吹氏   日本では、UMLを普及させるために「UMLビジネスフォーラム」を立ち上げ、OMGとともに日本の企業を応援する活動を行っています。

ソーリー氏
  これは、日本独自の面白いアプローチです。我々は特にソフトウェアシステムにおけるビジネスリーダーのサポートを求めており、数は少ないものの、ビジネスリーダーあるいは学会のリーダーの方々にお願いし、ソフトウェアエンジニアリングにおけるモデリングの重要性を訴えてもらっています。

   そこでは、主にモデリングのテクノロジーについて取り上げているのではなく、モデリングがビジネスをサポートできる可能性を取り上げ、いかにしてUMLやモデリングテクノロジーをビジネスの中で利用するか、モデリングテクノロジーをどうやって特許申請に使うことができるか、あるいはビジネスの管理やビジネスプロセスの管理においてどのように活用できるか、さらにどのようなかたちで投資対効果を実現することができるか、などといったビジネスにおける利用について企業に情報提供を行っています。


株式会社UML教育研究所  代表取締役社長  津吹 辰彦 津吹氏   現在のモデリングについての情報は、どうしても技術重視になっています。それをより高いレベルであるビジネスモデルにおいて、UMLを利用することで生産性、品質をいかに向上できるかということを提案しなくてはいけません。UMLをIT技術者が技術的に使えるか使えないかという論点ではなく、企業に直接訴えかける必要があります。どの企業もソフトウェア開発は投資に対して大きなウエイトを占めていますから、その中でUMLによって工数削減をはかることができれば、事業が加速することになります。企業に対し、いかに情報を発信していくかという部分が重要なのでしょうね。

 OMGでは、UMLを使って開発した場合とそうでない場合とでは、何がどの程度違うと考えていますか?

ソーリー氏
  ソフトウェアコストの9割は保守および統合で占められており、導入時にかかるソフトウェアの開発コストはわずかです。ソフトウェアのライフサイクルにおいて初期導入コストを省くことができたとしても、せいぜい10%のコストを削減できるにとどまってしまいます。しかし、保守・統合のコストの3分の1を省くことができれば、ソフトウェアのコストの30%を削減することが可能になります。

OMG会長兼CEO リチャード・M・ソーリー(Ricard Mark Soley)    つまり、長期的な節約を考えたとき、保守および統合に集中したほうがよいということになるわけです。OMGが特にフォーカスを当てているのは、ソフトウェアとは構造立ててデザインすべきであり、常に変化する要件やインフラストラクチャに対応できるものでなければならないという点です。モデリングを利用することによって初期導入コストが高くなると見る傾向がありますが、モデリングによって最大限の節約効果を得られるのは、保守および統合の部分になります。

   そのためにも、前もって設計に対してフォーカスを当てるべきなのです。ソフトウェア開発者は、まず頭の中で「絵」を思い浮かべています。しかし、実際にコードを書く段階になると、頭の中に浮かべていた「絵」が失われているのではないでしょうか。そういうやり方を改め、頭の中にあるデザインの考え方を書き留めることによって再利用を可能にするのです。

    これは、400年前の人々が建物を設計する場合と同じことだと思います。当時は設計方法が非公開でしたが、後に設計方法が公開され共通の設計方法が実現されるようになりました。そして現在では、建築を担当する人々はブループリントという共通の設計図を使って建築をしています。OMGが提唱しているのは、ソフトウェアにおいても建物の設計と同じ方法をやろうというもので、ブループリントの役割を果たすのがUMLになるわけです。

   プループリントを利用して建造物を建築するのと同じやり方を、今後はエンジニアリングの分野に応用すべきだと考えています。そのためにモデリングを採用して欲しいと思います。

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