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OMG Chairman Interview in UML Forum/Tokyo 2005
OMG会長がソフトウェア開発におけるモデリングと認定資格の重要性を語る
OMG会長兼CEO リチャード・M・ソーリー(Ricard Mark Soley)

オブジェクト・マネジメント・グループ(OMG)
会長兼CEO
リチャード・マーク・ソーリー(Ricard Mark Soley)

世界最大のソフトウェア標準化コンソーシアムであるOMGの総責任者として、戦略と技術に関わる全業務を総括。MITコンピュータサイエンス研究所で人工知能を研究、博士号を取得。1989年のOMG設立以来、1997年に会長に就任するまで、副会長兼技術部長としてCORBAおよびUMLの採択に主導的な役割を発揮。さらに会長として次世代アーキテクチャMDA(Model Driven Architecture)をまとめた。


株式会社UML教育研究所  代表取締役社長
津吹 辰彦(Tatsuhiko Tsubuki)

コンパック株式会社〜日本ラショナルソフトウェア株式会社(執行役員・営業本部長)を経て、2004年4月に株式会社UML教育研究所 代表取締役社長に就任。OMG・OMG-Japanなどと連携し、UML技術者資格試験OCUPの普及促進に携わる。現在では、OCUPの普及に留まらず 幅広くUML技術の啓蒙活動を行っている。

株式会社UML教育研究所 代表取締役社長 津吹 辰彦
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   2005年4月26日〜27日の2日間、東京・青山テピアにおいてオブジェクトテクノロジー研究所(OMG日本代表)の主催によるUML専門カンファレンス「UML Forum/Tokyo 2005」が開催された。同カンファレンスに合わせて来日したOMG(OBJECT MANAGEMENT GROUP)会長兼CEOのリチャード・M・ソーリー氏に、OMGとUMLについて話を伺った。聞き手は、OMG認定UML技術者資格試験プログラムを運営する株式会社UML教育研究所(UTI)代表取締役社長の津吹辰彦氏である。

津吹氏   まずはじめに、OMGの組織と活動についてお話いただけますか?

ソーリー氏
  OMGは世界最大規模の標準化組織です。現在のメンバー企業は全世界で550社。その約半分が北米、約4割が欧州、10%弱が日本・韓国・オーストラリアなどのアジア太平洋地域の企業です。OMGで最も知られている活動は、異なる環境のオブジェクト間でメッセージを交換するORBの仕様を定めている「CORBA」、モデリングの世界標準言語である「UML」、オブジェクト指向のシステム開発プロセスである「MDA」などの策定・提唱などです。

   しかし、実際の活動の85%は特定市場を対象としています。特に、電気通信・医療・金融システム・軍事など20種もの分野の標準化を進めています。

OMG会長兼CEO リチャード・M・ソーリー(Ricard Mark Soley)    日本でも何社かの重要な企業が参加しています。ボードメンバーの中には、NTTドコモ、富士通、日立などの企業が含まれます。日本ではオブジェクトテクノロジー研究所(OMG日本代表)を通じてさまざまな活動を行っています。その中で最も重要なものとして、UML教育研究所が日本・アジアパシフィックでプロモーションを行っている「OCUP(OMG Certified UML Professional Program:OMG認定UML技術者資格試験プログラム)」があります。これは、OMGがUMLのエキスパートを認定するもので、世界中どこでも英語で受験できます(日本においては英語と日本語の2ヶ国語で受験が可能です)。


津吹氏   日本において、UMLを使った開発事例があまりでてくることがありませんが、欧米では実際にUML開発がどの程度普及し、成功しているのでしょうか?

ソーリー氏
  UMLあるいはモデリングの採用状況を考えたとき、日本と欧米との間では大きな違いがあります。現在、欧州諸国の企業におけるUMLの普及率は95%にのぼります。また、米国におけるUMLの普及率は90%です。欧米では、ドイツ銀行、オーストリア鉄道、バンクオブアメリカなど、何十もの公表可能な成功事例があります。

OMG会長兼CEO リチャード・M・ソーリー(Ricard Mark Soley)    ところが、日本ではわずか40%という採用率にとどまっています。成功事例もごくわずかです。どうしてこういうことになっているのかは、私も知りたいところです。

   ただ、日本では非常に専門性の高いモデル駆動型システムに関する知識が蓄積されています。日立、富士通、NECなどのベンダーだけではなく、東京大学、北海道大学などの大学にも高度な専門知識が蓄積されています。にもかかわらず、日本の企業は欧米に遅れをとっています。この対策として、OMGはより多くの情報を提供しようという努力を進めており、その一環として認定制度を推進しています。まもなく日本も欧米の状況に追いつくだろうと考えていますが、まだそういう状況には至っていません。

用語解説
OMG
  1989年に異種アプリケーションの協調を実現する汎用的メカニズム(分散オブジェクト技術)の標準化を目的に、米国マサチューセッツ州に設立。現在では全世界で約800の会員を擁する、最大のソフトウェア標準化コンソーシアムである。日本では、NTT、富士通、日立、NEC、日本ユニシスなどが主要なメンバーとなっている。またIEEE、ECMA、ACM等の標準化グループと密接な協力関係にある。

UML教育研究所   株式会社UML教育研究所は国際的なプログラムの展開を通じて、標準技術に関する世界統一基準による専門技能の認定を行う。モデリング技術を普及・発展させることを目的に2002年11月に設立されました。OMGとの合意に基づき「OMG認定UML技術者資格試験プログラム」を発足し、日本・韓国・中国・オーストラリア・インドを含むアジア太平洋地域における同プログラムの運営事務局として機能しています。
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