|
|
前のページ 1 2 3
|
|
津吹氏
UMLには適用領域があるのでしょうか?
|
ソーリー氏 UMLを必ずしも利用しなければいけないということはありません。というのは、UMLが存在する以前から、物事が進んできたわけです。UMLと異なる「やりかた」が存在するのです。
しかし、ソフトウェアの全ての領域でUMLを活用することは可能です。OMGでは、様々な特定産業のためにUMLを使ったスタンダートな仕様を開発しています。それらは、1つのアーキテクチャとしてブループリントのように再利用が可能となっています。
|
津吹氏
業種によってスタンダードが存在するわけですね。
|
ソーリー氏 OMGでは、UMLのほかにもモデルスタンダートを展開しています。その基本となるインフラストラクチャ上で、業界別のスタンダートを手がけています。例えば、金融システムの銀行と企業の間で送金するための仕組みであるだとか、通信システムの人工衛星の位置や衛星が利用する通信帯域を扱うためのスタンダートとかを定義しています。
OMGが最も大きく変化したのはこうした点です。OMGの設立当初、16年前のメンバー企業は、エンドユーザよりもベンダーのほうが多かったのですが、現在はエンドユーザとベンダーの数がほぼ同じになっています。エンドユーザの中には、大手銀行、大手製造業、大手通信事業者などが含まれています。
|
津吹氏
OMGとUTIが共同で開発したOCUPは、日本でこそ浸透度は高まりつつあるが世界的にみると、それほど広がっているとはいえません。OMGではどのようなプロモーション施策を考えていますか?
|
ソーリー氏 OCUPはUMLについての知識を認定するために、OMGが制定した資格試験であり、世界130ヶ国以上で受験できるグローバルなものです。非常に興味深いのは、OCUPの取得者が世界で最も多いのは日本なのです。2番目にドイツ、3番目に米国と続きます。
当初、OMGでは米国が最も多いだろうと考えていましたが、この結果は認定資格制度に対する日本やドイツと米国の評価の違いだと考えています。日本やドイツは、ITの認定資格を尊重しているのに対し、米国ではさほどではありません。ただし、米国でもその状況は変わろうとしています。企業はこれまで、UMLの認定資格者がほとんど存在しなかったために、優先して採用してきませんでした。また、技術者も企業がUML認定資格者を求めていないので、資格を取得しようとする人が多くありませんでした。
しかし、現在では、全世界に何千人もの認定資格者がいますし、企業も認定資格取得者を積極的に求めるようになっています。また、認定資格者になるためのトレーニングを自社の従業員に課す企業も増えています。
さらに、OMGでは企業に対して認定資格を取得したエンジニアを採用するべきという点を強調しています。建築家を雇う場合、資格のない建築家を雇わないのと同じように、これからはUMLの認定資格を受けたITエンジニアを採用すべきであることをOMGは強く訴えていきます。
|
津吹氏
ありがとうございました。
|
OCUP
OMG認定UML技術者資格試験プログラム(OCUP)は、汎用モデリング言語の世界標準であるUMLの概念と利用方法に関する知識を統一された基準で認定する目的で、標準化団体であるOMGによって制定されました。UMLの最新仕様である「UML2.0」に準拠し、基本的に読み書き能力にフォーカスしています。現在、世界130ヶ国以上で受験可能なワールドワイドの資格プログラムです。
OCUPの申し込み方法
http://www.umlcert.org/ocup/step.html
|
|