|
|
前のページ 1 2 3 次のページ
|
|
利用したソフトウェアと教材コンテンツ
|
前回で紹介したように、つくば市では新しいアプリケーションを活用した、どちらかというと挑戦的なPCの活用に力を入れています。対して、岐阜県では後述するように、あらゆる環境で広く利用できることを重視し、特定のアプリケーションに依存したPC活用を積極的には進めてきていません。
WWWを利用した調べ学習や、オフィススィートを使った学習のまとめ、低学年向けのお絵書きソフトの利用といった、どちらかといえば一般的なアプリケーションの利用が中心となっています。
教材のコンテンツは、岐阜県教育委員会が用意している算数・数学のワークシートや理科のマルチメディア教材が利用されました。
岐阜県・算数コンテンツ活用法改善プロジェクトが提供する「楽しく学ぼう! 算数力だめし」というシステムでは、問題がPDFで提供され、設問にはWebのフォームで解答することができるようになっています。
先生としてシステムにログインすると、子ども達の学習進捗状況も管理ができるしくみも作り込まれています。このアプリケーションも、Turbolinuxの環境で、何の問題もなく動作しました。
図2:楽しく学ぼう! 算数力だめし
また、低学年にはお絵書きソフトのTux Paintが喜ばれました。Tux Paintは子ども向けのお絵描きツールです。
図3:Tux Paint
Tux Paintは評判がよかったため、メーリングリストを通じてつくば市の小学校にも紹介されて使われるようになりました。今年、小中学校にLinuxデスクトップを導入する同様の実験がイギリスでも行なわれたようです(注)。その中でも、Tux Paintは高い評価を得ていました。
|
|
授業の様子
|
岐阜大学附属中学校では、Javaで作成されたアプリケーションを使って数学の授業が進められました。
使用された教材は、岐阜県小中学校教育研究会中学校数学科研究部会で作成されたもので、例えば幾何の問題であれば、インタラクティブに点と線を操作して理解を促す工夫が盛り込まれています。この教材は、昨年度の第5回インターネット活用教育実践コンクールで文部科学大臣賞を受賞しました。
Linux PCをプロジェクタに接続し、板書と画面の投影を組み合わせてわかりやすく授業を進めます。
写真2:数学の授業での活用例
一通りの説明の後、生徒がそれぞれノートPCを持ち出して、数学の演習用教材に取り組みます。この数学教材をまとめたWebサイトは家庭からのアクセスも可能で、自宅から復習したり、予習しておくこともできるようになっています。
|
前のページ 1 2 3 次のページ
|
|
|
|
著者プロフィール
株式会社三菱総合研究所 飯尾 淳
情報技術研究部 主任研究員
1994年(株)三菱総合研究所入社。並列計算機関連、ソフトウェア工学、音響・画像処理関連と幅広いテーマで先端情報技術の研究開発業務に従事。専門は、画像処理とユーザインタフェース。著書に「Linuxによる画像処理プログラミング」、「リブレソフトウェアの利用と開発〜IT技術者のためのオープンソース活用ガイド〜」など。技術士(情報工学部門)。
|
|
|
|