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| 予算や工数の決定方法、品質の基準 | ||||||||||
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開発プロジェクトの工数や予算は、どのように決めているのであろうか。初期の段階の基本計画策定時のころと、詳細設計が終わって開発に着手した中期の2つの時期にやっている作業に近いものを複数選択してもらった。 |
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| 予算確定は、6割の企業がベンダー頼み | ||||||||||
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まず、初期段階の回答を見てみよう。もっとも多い決め方は、「ベンダーからの見積もりを元に決定する」で、回答企業の過半数の54.9%、次が「過去の事例を参考にする」が42.7%、3番目が「決められた予算枠」が22.5%であった(図4)。 予想された答えではあったが、複数回答であることを割り引いても、余りにも現実的な回答に言葉を失う。せめて「画面、帳票数を元に算出する」くらいの答えが過半数になっていなければ、プロジェクト管理という言葉そのものが意味をなさないのだが、これが現在の開発現場の実情なのだろう。 「決められた予算枠」で決めるというのは、これはこれで筋が通っているが、半数の企業がやっている「ベンダーの見積もり」で予算工数を決めるということを、これから少しでも減らしていかなければユーザ企業のIT部門の主体性は失われる一方である。 中期の段階ではどうだろうか。初期の段階では、正確な工数を見積もることは難しいが、この段階では、ある程度詳細な見積もりが可能である。初期にくらべて、「過去の事例を参考に」が42.7%から大幅に減って22.0%、「画面、帳票数を元に算出」が16.6%から21.0%に増えていることが、これを物語る(図5)。 しかし「画面、帳票数を元に算出」している企業は、この段階でも全体の2割しかいない。過半数を超える企業(61.2%)は初期と同様、「ベンダーの見積もり」に頼ってしまっている。 中期の段階で、自らが定量的な把握をしていない状況では、ユーザ企業が主体となって、まともなプロジェクト管理をすることは不可能に近い。また、ベンダーと対等に価格の交渉をすることもできず、ベンダーのいうなりになるしかない。半数以上の企業でプロジェクトが予定通り進まないわけである。 一方で、FP法などで正確な開発規模を算出し、プロジェクトを進めている企業もある程度存在する。中期になれば20%の企業が画面や帳票数で工数を見積もり、進捗を管理している。こうした先進企業と全体との間には、プロジェクトの成功の確率には大きな差が出ているものと思われる。 |
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