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| プロジェクトマネジメントの実態 | ||||||||||
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ユーザ企業のIT担当者にとって、もはや技術的要素はそれほど必要でなく、開発計画を予定通り進めるための技術、プロジェクトマネジメントが重要となってきている。 しかしながら、まだまだシステムが予定通り完成しなかったり、予想外の費用がかかってしまったりという話をよく耳にする。そこで、企業におけるプロジェクトマネジメントの現状を詳しく調査することにした。 |
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| プロジェクトの工期、予算、品質の状況 | ||||||||||
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プロジェクトがうまく行ったかどうかの指標となる、決められた工期、予算、品質が守られたかどうかをプロジェクトの規模別に聞いてみた。システムの規模は、わかりやすくするため、開発工数(人月)で100人月以下、100〜500人月、500人月以上の3つに分類した。100人月は数ヶ月から半年の事業部レベルが企画するプロジェクト、500人月以上は全社ITプロジェクトに相当すると考えられる。 |
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| 大規模プロジェクトでは過半数の企業で予定より遅延 | ||||||||||
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まず工期であるが、100人月未満のプロジェクトでも完全に予定通りできている企業が21.3%に過ぎない。100〜500人月未満で9.6%、500人月以上では、9.7%と1割しか予定通り完了していない状況である。 当然規模が大きくなれば予定通り完成させることは困難であり、100人月未満で17.2%、100〜500人月未満で43.2%、500人月以上で51.4%の企業が予定より遅延すると回答をしている。500人月以上のプロジェクトでは、半数以上が予定より遅延と回答している。工期の遅れが日常茶飯事化している現状が浮かびあがった。 |
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| 予算も工期と同じ傾向だが、工期より達成率が高い | ||||||||||
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続いて予算であるが、100人月未満のプロジェクトでは、88.1%の企業が「ある程度」を含め予定通りと回答しているが、100〜500人月未満のプロジェクトでは66.4%、500人月以上では55.3%で半数の企業が予算内での完了ができていない。それでも工期より若干予算の達成率が高く、日本企業では工期の遵守より予算を遵守しているといえる(図2)。 |
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| 品質にはほぼ満足 | ||||||||||
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最後に品質であるが、「ある程度満足」を含めると大多数の企業が、仕上がりに満足している結果になった。100人月未満では91.4%、100〜500人月未満では75.9%、500人月以上でも71.5%の企業がある程度を含めると満足していると回答している(図3)。 これは、日本人の気質や日本企業の根幹に品質重視の姿勢がプロジェクトにも現われているといえる。海外製品の品質基準(80%の品質と世界戦略)と日本製品の品質基準の考え方(100%の品質を要求)の違いが、プロジェクトマネジメントにも色濃く反映されている。 |
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書籍紹介 「企業IT動向調査報告書2005」 本連載は日本情報システム・ユーザー協会より発刊されている「企業IT動向調査報告書2005」をもとに記事を掲載しています。上記調査報告書には、さらに詳しいデータや分析結果、考察が記載されています。調査資料のご購入は下記のリンクより行えます。 |
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