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第2回:さまざまな開発環境の世界

2007/9/12
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多様な開発環境を知る

   一口に開発環境といっても様々なものがあるのは皆さんもご存じの通りだ。製品によって対応言語や得意とする分野が異なるため、目的に応じた開発環境の選択が効率的なアプリケーション開発につながる。

   今回は「目的」を切り口に、これまでThink ITで掲載してきた開発環境関連の連載を紹介する。
目的で選ぶ開発環境
チーム開発を支援するVisual Studio Team System
PHPの開発環境を知る
JSFを用いたWebアプリケーション開発
Eclipse RCPによるリッチクライアント環境構築


JSFを用いたWebアプリケーション開発

   Webアプリケーションフレームワークの標準仕様として策定されたものが「JSF(Java Server Faces)」だ。OracleのIDE、JDeveloperによるJSFアプリケーション開発について解説しているのが「JDeveloperで学ぶJSF入門」という連載である。この連載でJSFの魅力を味わおう。

JDeveloperで学ぶJSF入門 JDeveloperで学ぶJSF入門
第1回:JSFの特長
著者:WINGSプロジェクト  佐藤 治夫(株式会社ビープラウド)、小泉 守義
監修:山田 祥寛

はじめに

   1990年代前半から中頃、Webの一般化とともに産声を上げたWebアプリケーションも、当初はBBSなどの単純な用途向けのものがほとんどでした。その後、1990年代後半から2000年代にかけてWebアプリケーションをミッションクリティカルな企業システムへ適用しようとする機運が高まると、それに対応してJ2EEをはじめとした企業向けシステムを開発するためのソフトウェアが次々と登場しました。しかし、これらのソフトウェアは機能が豊富である反面、その仕組みや開発手法は年々複雑さを増し、開発者の大きな負担となっていきました。Sun Microsystems社はこの問題を解決するべく、EoD(Ease Of Development=開発の容易化)という概念を提唱し、開発を容易にするための方針をいくつか打ち出しました。

   JavaアプリケーションがEoDへと向かうなか、Webアプリケーションフレームワークの標準仕様として策定されたのがJSF(Java Server Faces)です。JSFは、Strutsの次を担うWebアプリケーションフレームワークとして注目を浴びています。JSFは、果たしてこれまで指摘されてきたWebアプリケーション開発の問題に一石を投じるものなのでしょうか。

   本稿では、2005年10月から無償提供が開始され、話題になっているOracle社のIDE(Integrated Development Environment)ツール「JDeveloper10g」を使ってサンプルを作成しました。本稿で、IDEによるJSFを用いたWebアプリケーション開発の魅力を感じ取っていただければと思います。

Webアプリケーションフレームワークの登場

   JSFは「Webアプリケーションフレームワーク」と称されていますが、そもそも「アプリケーションフレームワーク」とはどのようなものでしょうか。「フレームワーク」を辞書で調べると「枠組み」や「骨組み」といった意味が載っています。ここから類推すると、アプリケーションフレームワークは、「アプリケーションを構築するための枠組み、骨組み」と定義することができるでしょう。

Eclipse RCPによるリッチクライアント環境構築

   Java開発環境ではデファクトスタンダードといえるEclipseだが、皆さんもご存じのように、プラグインを導入することでさまざまな言語に対応可能となる。この連載では、リッチクライアント環境を構築するためのプラットフォームEclipse RCPを取り上げ、アプリケーションの作成から配布まで手順に沿って解説している。

Eclipseで実現するリッチクライアントの世界 Eclipseで実現するリッチクライアントの世界
第1回:他とは異なるEclipse RCPの特徴
著者:ビーブレイクシステムズ  横井 朗
はじめに

   本連載ではリッチクライアント技術として、またクライアントサイドへのJavaの普及の鍵を握る技術として注目を浴びているEclipse Rich Client Platform(Eclipse RCP)について取り上げます。

   なお、Eclipseに関する基本的な操作方法や概念は理解していることを前提に進めますので、自信のない方は「Eclipse3ではじめるJava Webアプリケーション開発」に目を通した方がよいでしょう。

Eclipse RCPとは

   Eclipse RCPとはEclipse 3.xから利用可能になったリッチクライアント環境を構築するためのプラットフォームで、Eclipseからリッチクライアント構築に必要な最低限のプラグインセットを切り出したものです。

   リッチクライアントというと、商用であればFlex/Biz/Browser/Curl、オープンソースであればAJAX/Open Laszloなどがあげられ、Webブラウザ上での動作をイメージする方が多いと思いますが、Eclipse RCPはそれらと比較すると大きく異なります。大きな違いとして以下のような点があげられます。

  • Webブラウザ上で動作するものではない
  • Eclipse RCP単体では配信のしくみを持たない

表1:Eclipse RCP特有の仕様

   これでリッチクライアントと呼んでよいの?という印象を持たれる方もいらっしゃると思いますが、リッチクライアントという言葉自体が自然発生的にでてきたもので、厳密な定義があるわけではありません。メディアやベンダーによって定義があいまいですが、最低限以下の2点を満たしていればリッチクライアントということができるでしょう。

  1. 高い操作性を実現していること
  2. クライアントへのソフトの配布が容易であること

表2:リッチクライアントとしての最低限の機能

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