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第2回:さまざまな開発環境の世界

2007/9/12
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多様な開発環境を知る

   一口に開発環境といっても様々なものがあるのは皆さんもご存じの通りだ。製品によって対応言語や得意とする分野が異なるため、目的に応じた開発環境の選択が効率的なアプリケーション開発につながる。

   今回は「目的」を切り口に、これまでThink ITで掲載してきた開発環境関連の連載を紹介する。
目的で選ぶ開発環境
チーム開発を支援するVisual Studio Team System
PHPの開発環境を知る
JSFを用いたWebアプリケーション開発
Eclipse RCPによるリッチクライアント環境構築


PHPの開発環境を知る

   PHPという言語の魅力はその手軽さにある。テキストエディタがあれば、それだけでアプリケーションの開発が可能なのがPHPの利点だが、開発効率の向上を目指すにはやはり統合開発環境(IDE)の導入が望ましい。

   今回はPHP&データベースの開発環境としても注目を集めているOracle JDeveloperとVisual Studioライクなインターフェースを持ったVS.Phpを用いたPHPアプリケーション開発について解説した連載を紹介する。それぞれの機能や特徴を比較してみてもらいたい。

Oracle JDeveloperによる快適PHP開発 Oracle JDeveloperによる快適PHP開発
第1回:Oracle JDeveloperが注目される理由
著者:日本オラクル  一志 達也
Oracle JDeveloperによる快適PHP開発

   皆さん「Oracle JDeveloper」というツールをご存知でしょうか。Oracle JDeveloperは、その名前に含まれる「J」の文字からわかるように、Javaのプログラムを開発するためのIDE(統合開発環境)です。オラクルが運営する技術者向けのWebサイト「OTN Japan」で無償配布されていますので、オラクルのユーザでなくとも気軽に利用できます。

   そんなJDeveloperですが、実はPHPの開発環境としてもその生産性の高さが注目を集めているのです。なぜ注目を集めているのか、その理由を紹介しましょう。

EclipseよりOracle JDeveloperを選ぶ理由

   Javaの開発環境として有名なEclipseは、PHPのプラグインを用いることでPHPの開発環境としても使えますし、実際に使っているという方も多いことでしょう。いくらJDeveloperも無償で提供されているとはいえ、わざわざOracle JDeveloperを選ぶ理由があるのかと思われるかもしれません。

   そこで、まずは「なぜJDeveloperを選ぶのか」について、簡単に紹介しておきたいと思います。

   Eclipseの魅力といえば、豊富に提供されているプラグインを用いて、自分好みの環境を整えられることでしょう。誤解を恐れずにいえば、プラグインを1つも入れてない状態では、開発環境として十分な機能を提供できていないのです。

   最近ではWebブラウザであるFireFoxやThuderBirdのような電子メールクライアントでも、同様の手法によって自分好みの環境を整えられる、というのが魅力となっています。こうしたカスタマイズは、個人として使う分にはいいのですが、企業で使うには問題を引き起こすことも少なくありません。たとえば、それぞれが個別の環境を利用している場合、思わぬ動作不良を引き起こすかもしれません。アプリケーションのテストをするにも、環境によって異なる結果を生み出すかもしれません。ソースコードの一貫性を求められなくなるかもしれません。チームではなく個人で開発するのなら、それも自由かもしれませんが、多人数でチームを組んで開発する場合にはそうもいきません。まして、開発環境のサポートを専門に行うチームがあるような大企業にもなれば、サポートを行う身にもなってくれということになるでしょう。

   それに対して、Oracle JDeveloperであれば、開発環境の整備も簡単です。PHPの開発を行う機能も、機能拡張として提供されますが、そうした機能拡張はOracle JDeveloperが備える自動更新機能によってインストールされます。したがって、個人で勝手な機能拡張を行う心配も少なく、本体だけをインストールすれば十分な機能を提供する環境が整うのです。

使って理解!PHP開発環境「VS.Php」 使って理解!PHP開発環境「VS.Php」
第1回:Visual Stuidoインターフェースを用いたPHP開発用IDE「VS.Php」
著者:アシアル  亀本 大地
定番と呼べるIDEがなかったPHP

   今までPHPでの開発は小規模な物がその割合のほとんどを占めてきたため、そのような開発体制でも何とかこなせてきました。しかし今後は、IT業界の成熟と共に、PHPアプリケーションの開発案件は大規模かつ堅牢なものを低コストで求められるように変化していくことが予想されます。それが良いか悪いかに関わらず、そのような現実に直面した時には、今まで以上の開発効率の向上を求められることになります。そういった場合において、様々な便利な機能を提供してくれる統合開発環境(IDE)の導入は十分考慮に値するのではないでしょうか。

   しかし、JavaならEclipse、ASP.NETならVisual Studioといったように、他のWeb系アプリケーション言語には定番のIDEが存在するにもかかわらず、PHPにはそのような定番と呼べるIDEがこれまで存在しませんでした。PHPにおいてもIDEは数々ありますが、どれもが未だに定番として定着しておらず、実際にIDEを選択する際にどうすればよいか困ってしまうのが現状です。

   そこで本連載では、PHPの開発において選択されるIDEの定番となりうるソフトウェアとして登場した「VS.Php」について、そのセットアップ方法や各種機能、基本的な操作方法などを紹介していきます。

VS.Phpとは

   VS.Phpは米国のJcx Software社が開発したPHP用のIDEです。元々はVisual Studioのインターフェースを利用するアドオンソフトウェアとして開発されたものです。

   近年、開発元のJcx SoftwareがMicrosoftとパートナー契約を結んだことにより、Visual Studio 2005 Premier Partner Editionに統合する形で、単体での動作を実現した「VS.Php Standalone」も提供が開始されました。

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