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Javaマスター
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第1回:甘くも苦いJavaの技術

2007/8/17
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Java開発のテクニックを、もっと洗練させるために

   ひとくちにJavaフレームワークによる開発手法といっても、様々なものがあることはご存じだろう。ここでは多数ある中から商用のフレームワークを取り上げ、オープンソースのものとの違いなどを解説している。商用とオープンソースの差はどこにあるのか、じっくりと確かめてほしい。
楽々Framework II 楽々Framework IIでお手軽Java開発
こんなに簡単!楽々Framework II
著者:住友電工情報システム  九鬼 務
   JavaのWebアプリケーションフレームワークとして、オープンソースのStrutsをお使いの方は多いと思います。「商用フレームワークなんてStrutsと大差がないでしょう」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。楽々Framework IIではJavaの部品化技術により、先ほどのプログラムにあるようなXML形式の簡易なパラメータ定義だけでプログラムを作成できるのです。さらにプログラムを数行追加するだけで、照会・更新・削除・CSVダウンロードなどの機能も実装することもできます。

   楽々Framework IIには画面部品やプログラム部品、項目オブジェクトにはビジネスロジック、つまり業務システム固有の処理は含まれていません。任意のビジネスロジックを組み込むため、楽々Framework IIでは様々なポイントにJavaコードを注入する「プラグイン」という仕組みを提供しています。プラグインの設定方法は作成したクラスの名称をパラメータファイルに記述するだけです。

   SpringFrameworkやSeasarなど、主なオープンソースのDIコンテナでは処理を「注入」するために多くの定義を記述する必要があります。それに比べ、プラグインはパラメータファイルにクラス名を記述するだけで処理が注入できる利点があります。


   様々なフレームワークが持つそれぞれの利点を活かし、最適な開発を進めるためにも、こういった情報が必要であることは間違いない。

   Javaの開発を行うときに不可欠ともいえるのが「Javadoc」だ。JavadocはJavaのソースファイルからリファレンスマニュアルを生成するコマンドで、ソースコード中にあらかじめ定められた形式でコメントを記載することでAPI仕様やリファレンスマニュアルを作成できるものだ。Javadocの重要性や作成する際のノウハウなどをまとめたものが、この連載である。

Javadoc Javadocから考える開発ドキュメンテーション
第1回:Javadoc、どのくらい活用していますか?
著者:ウルシステムズ  足立 祐一
   Javaで開発を行っていると、ライブラリのリファレンスとしてJavadocを参照することが多いはずです。ただ参照するだけでなく、場合によっては携わっているプロジェクトなどの開発規約でドキュメンテーション規約としてJavadocを記述することが定められているケースもあると思います。筆者はオープンソースのライブラリを使用するときよりも、内製のライブラリや同じプロジェクトで他の人が作ったクラスを利用するときのJavadocの質の悪さに閉口した経験があります。

   では、Javadocは書くだけ頭痛の種が増える必要悪なのでしょうか。そんなことはありません。開発者が作成する成果物でソースコードは重要ですが、継続的に面倒をみていくためには人と人とのコミュニケーションが必要であり、ソースコードだけでは不十分です。Javadocの特徴を再認識し、もっと開発プロセス全体に視野を広げて活かすことが重要なのです。

   JavadocにはコメントからHTMLを生成する以外にも機能を拡張することができます。本連載ではJavadocのよさ、ドキュメントとして書くべきこと、そしてJavadocの基本的な仕様を再確認してからJavadocを有効活用するための工夫をいくつか紹介していきます。さらにそのノウハウを開発に必要なドキュメンテーションへと展開していきます。


   第1回では開発現場から見たJavadocの現状にフォーカスをあて、開発に必要なドキュメントの全体感からJavadoc(ドキュメンテーションコメント)の位置づけを再確認している。次回以降は、Javadocの拡張機能を活用する方法について解説するとのことなので期待してほしい。

   さてJavaのアプリケーションサーバ基盤といえば、Tomcatが代表的なものである。普段の開発現場ではJavaに限らずTomcatもよく使われているだろうが、意外と基本的な機能や実装方法を忘れていることがある。いざという時にあわてないためにも、この時期にTomcatの基礎からを学んでおいてみてはいかがだろうか。そんなときにお勧めしたいのがこの連載である。

いまさら聞けないTomcat いまさら聞けないTomcat〜JSPサーバ構築のキソ
第1回:Tomcatって何ですか?
著者:ビーブレイクシステムズ  羽倉 敬
   動的コンテンツ提供のための仕組みの1つが「サーブレット/JSP」です。サーブレット/JSPは、Sun Microsystems(以下、Sun)によって開発されたサーバサイドのJava技術であり、オブジェクト指向に基づくプログラムの部品化の実現や、豊富なクラスライブラリの提供といった「Javaの特性」を活かすことで、数あるサーバサイド技術の中でも非常に強力なアーキテクチャとなっています。このサーブレットは、「サーブレットコンテナ」と呼ばれる特殊なWebサーバ上で動作します。またHTMLの中にサーブレットを埋め込む技術である JSPも、サーブレットコンテナなくして実現することはできません。これから取り扱うTomcatもこのサーブレットコンテナの1つなのです。

   本連載では、はじめてTomcatに触れる初心者を対象にTomcatサーバの構築手順から実際にサーブレットを用いたアプリケーションを動作させるための設定までを解説していきます。これからサーブレット/JSPを使ったWebアプリケーション開発を行いたいという開発者にとってのTomcat導入の手引きとなるように、わかりやすく解説していきたいと思います。

   SunはこれらポストCGI技術の展開を踏まえつつ、Webサーバ上で動作するJavaプログラムであるサーブレットを開発しました。サーブレットを利用したWebアプリケーションの強みは、オブジェクト指向による効率的なシステム構築を行うことができることです。Javaの部品化技術や再利用性の高いプログラムは、大規模システムの開発や、修正を繰り返しながら長期間使い続けられるシステムの開発に特に効果を発揮します。もちろん、サーブレットでは先に述べたCGIの課題への対処もなされています。


   続く第2回では、Tomcatの誕生からその特徴、実装されている機能に関してまとめられている。

いまさら聞けないTomcat いまさら聞けないTomcat〜JSPサーバ構築のキソ
第2回:Tomcatって何ができるのですか?
著者:ビーブレイクシステムズ  羽倉 敬
   Sunは大規模なWebアプリケーションの構築を容易にするための機能セットとして、複数のAPIからなるJ2EE(Java2 Platform Enterprise Edition)を定義しています。実はこれまで見てきたサーブレット/JSP技術はJ2EEの一機能に過ぎません。J2EE APIはWebアプリケーション開発を直接手助けするものではなく、J2EEアプリケーションサーバという特別なサーバを使うことで必要な機能を提供します。そしてJ2EEアプリケーションサーバの一部の機能がサーブレットコンテナなのです。J2EEアプリケーションサーバは現在、商用・フリーを取り混ぜて様々なものがリリースされています。J2EEアプリケーションサーバは当然、サーブレットコンテナ機能を備えている必要があり、一部のJ2EEアプリケーションサーバはTomcatをその一部として取り込んでいます。

   Tomcatはサーブレット/JSPの解説では、必ずといっていいほど例に使われているサーブレットコンテナです。その最大の理由として、Tomcatが Sun公式のサーブレットコンテナの参照実装(Reference Implementation)であることと、無償で提供されていることがあげられるでしょう。特に参照実装であることは重要な意味を持ち、Tomcat が、Sunのサポートするサーブレット/JSPの仕様に100%準拠することを示します。Tomcatは現在、サーブレットコンテナのデファクトスタンダートといっていい地位を確立しています。機能はシンプルですが、オープンソース開発による高い性能と信頼性は、TomcatがJ2EEアプリケーションサーバJBossのアプリケーションコンテナとして採用されていることからも伺えます。


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第1回:甘くも苦いJavaの技術
  基礎からじっくり理解しておきたいJava
Java開発のテクニックを、もっと洗練させるために