TOP
>
調査レポート
> OSSのDBMSの互換性を商用DBの無償版を含めて評価
オープンソースの適用可能性を示す
第10回:PostgreSQL vs MySQL2つのDBMSを検証する(後編)
著者:
イーシステム 芝 国雄
2006/5/30
1
2
3
次のページ
OSSのDBMSの互換性を商用DBの無償版を含めて評価
多くの企業では、すでに商用DBを使っているため、OSSのDBMSを導入する際は、マイグレーション(移植)することになる。
そこで、OSSのDBMSの互換性について、商用DBの無償版を含めて見てみよう。
米オラクルが無償使用できるDatabase XEのβ版をリリース
海外における、最近のOSS関連の主要なトピックには、次の3つがある。
オラクルがオープンソースDBエンジン「InnoDB」を買収
「MySQL 5.0」のダウンロード数が3週間で100万件を突破
米オラクルが、無償で使用できる「Oracle Database 10g Express Edition」(Oracle Database XE)のβ版をリリース
表1:OSSの主要トピック
3の無償で使用できる点では、マイクロソフトの「SQL Server 2005 Express Edition」や、OSSのMySQLやPostgreSQLへの対抗策と考えられる。
Oracle Database XEは、システム開発者向けのシステム開発用途だけではなく、本稼働環境でも使える。そのため、パッケージベンダが自社製品に組み込んで無償で配布することも可能だ。
DBサイズは4GB、RAMは1GBまで、1CPUといった制限はあるが、これだけのスペックがあれば、多くのシステムでは事足りるだろう。
さらに、将来このスペックで足りなくなった時のために、ハイエンド向けの「Oracle 10g」に簡単にアップグレードできる点も心強い。
一方、国内ではPostgreSQL8.1と、MySQL 5.0が相次いでリリースされた。
また、フリーソフトの観点では、マイクロソフトから「SQL Server 2005 Express Edition」と呼ばれる無償版がリリースされている。DBサイズは4GB、RAMは1GBまでなどの制限があるが、小・中規模のDBシステムであれば、十分使えるスペックだ。
SQL Server 2005 Express Edition
http://www.microsoft.com/japan/sql/express/default.mspx
さらに、将来、構築したDBのサイズが拡大して賄えなくなれば、よりハイスペックの「Workgroup Edition」や「Standard Editoin」「Enterprise Edition」にアップグレードすればよい。
マイクロソフトでは、各エディションの機能は、ライセンス管理を除いて、Enterprise Editionと同じだと発表している。
SQL Server 2005 エディション別機能比較表
http://www.microsoft.com/japan/sql/prodinfo/features/compare-features.mspx
同社では、このExpress Editionの位置づけを、他のマイクロソフト製品と組み合わせで使うことを想定してしているようだが、ユーザ側からするとPostgreSQLやMySQL対策にも見える。
1
2
3
次のページ
著者プロフィール
イーシステム株式会社 芝 国雄
グプタ事業部 部長
95年、日本グプタ(現イーシステム)入社。米グプタ社製品の統合開発ツールの「Team Developer」、RDBMSの「SQLBase」といった製品の日本語化をはじめ技術支援や販売、マーケティング業務に従事。主に、ユーザ企業のシステム開発の現場で、システムの設計に関わる事前調査や助言などの上流工程から、プログラミング時のトラブルシューティングまで、幅広く支援していた。2000年4月、携帯電話を活用したワイヤレスソリューション事業の立ち上げに従事。2001年、グプタ事業に専念し、現在に至る。
INDEX
第10回:PostgreSQL vs MySQL2つのDBMSを検証する(後編)
OSSのDBMSの互換性を商用DBの無償版を含めて評価
商用とOSSの互換性
互助と情報共有でコミュニティの相乗効果を創出