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ビジネス展開におけるWeb 2.0
第3回:Web 2.0時代を支える手法
著者:
野村総合研究所 堀 祐介
2006/4/21
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はじめに
第1回では大量の情報と消費者のアテンションをコントロールする重要性を説明し、第2回目ではWeb 2.0が与える市場へのインパクトを特に「eコマースモデル」と「企業情報システム」に着眼して分析した。
今回から2回にわたり、Web 2.0時代を支える手法・技術がどのような目的で採用され、活用されているかについて事例を通じて紹介する。
Web 2.0時代を支える手法・技術とは?
Web 2.0は技術仕様ではないため「この手法・技術を使えばWeb 2.0」という明確な基準は存在しない。よって筆者は「大量の情報と消費者のアテンションをコントロールする」という目的達成に繋がる手法・技術が、Web 2.0時代に注目すべき手法・技術であるという観点に基づいて、第1回では7つの手法・技術を取り上げた。これらの手法・技術がもたらす効果の概略は以下のとおりである(表1)。
手法・技術
期待される効果
企業視点
消費者視点
サービス型
ソフトウェア
柔軟なソフトウェアビジネスモデル(利用料モデルと広告料モデル)
早期リリースによるユーザ要求吸い上げ
複数のサービスにまたがったデータ連携による利便性向上
CGM分析
消費者の日々の行動やウォンツを分析
マーケティングへ活用
商品・サービス購買時の参考情報として活用
パーソナライズ
消費者ごとに最適化された広告配信
情報フィルタリング
RSS/ATOMフィード
消費者へのリーチ度の高い情報配信
興味のあるカテゴリに限定した情報受け取り手段として活用
WebAPI、
マッシュアップ
消費者の情報を収集する窓口としてのWebAPI
マッシュアップサイトへの広告配信
軽量かつゆるやかな結合によるソフトウェア開発
必要な機能・情報を組み合わせて利用可能
Ajax
軽量なRIA構築手段として活用
動的でインタラクティブなUIによる利便性向上
表1:Web 2.0時代を支える手法・技術がもたらす効果
出所:野村総合研究所
以降では、表1であげた手法・技術について詳細に解説していくが、今回は手法についてになる。技術については次回で解説する。
サービス型ソフトウェア
大量の情報と消費者のアテンションをコントロールするという目的において、サービス型ソフトウェアは次にあげる3点で有利である。
複数サービスに跨った利用者データの連携
柔軟なソフトウェアビジネスモデル
早期リリースによるユーザ要求吸い上げ
表2:サービス型ソフトウェアの利点
複数サービスに跨った利用者データの連携
利用者のデータをサービスプロバイダ側で一元管理するため、複数のサービスをまたがってのデータ連携が可能である。例えばGoogleは、Google CalendarとGmailの間でスケジュール情報を相互に登録・通知可能にし、利便性を向上させている。
Google Calendar
http://www.google.com/calendar/
Gmail
http://mail.google.com/
柔軟なソフトウェアビジネスモデル(利用料モデルと広告料モデル)
パッケージ型ソフトウェアでは利用料モデル(利用者からソフトウェア利用料を徴収するモデル)が一般的であるのに対し、サービス型ソフトウェアの場合は消費者向けには広告料モデル(無料で公開し広告料から収益をあげるモデル)、企業向けには利用料モデルというように柔軟なソフトウェアビジネスモデルを構築することが可能である。
また広告料モデルでは消費者のデータと連動した広告配信が可能であり、消費者のアテンションを惹きつける広告効果が期待できる。
早期リリースによるユーザ要求吸い上げ
サービス型ソフトウェアではベータ版の段階で早期にソフトウェアを公開し、ユーザ要求を吸い上げながらソフトウェアを随時改善するという開発サイクルを採用する事例が多い。
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著者プロフィール
株式会社野村総合研究所 技術調査室 研究員
堀 祐介
東北大学工学部通信工学科を卒業後、大手SIerにてオープンソースソフトウェアおよびテレコム関連技術の標準化活動に従事。2005年、野村総合研究所に入社。現在、情報技術本部にてIT動向の調査と分析を行うITアナリスト集団に所属。
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第3回:Web 2.0時代を支える手法
はじめに
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