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| 拡大する情報化投資の明暗 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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民間企業における2004年度の情報化投資の実績は、前年度を約5%上回って3年ぶりの増加となり、2005年度の投資計画は6.3%増と2年連続で増加した(表1)。行政機関についても一時のピークは過ぎたとはいえ、2001年の「e-Japan戦略」以降、情報化投資は拡大傾向にある。
表1:情報化投資の概要 出所:2004・2005・2006年度 設備投資計画調査(政策投資銀行、2005年8月) 堅調に情報化投資が伸びている背景には、近年の景気の復調を反映し、戦略的な情報化投資が増えていることあげられる。今や情報システムは業務の中に広く深く浸透しており、経営のスリム化によるコスト削減や新たなビジネスの創造・展開が、戦略的な情報化投資と表裏一体を成している。 しかし、戦略とは無関係に情報化投資が肥大化してしまっているケースもあり、これは大いに憂慮すべき問題である。ある調査によれば、ハードウェアやネットワーク、ソフトウェアなどの情報化投資のストックでは約30%、保守・運用では約50%に相当するIT不良資産が生じているという。 最近では、国や地方自治体なども大型汎用機によって運用するレガシーシステムを抜本的に見直し、保守・運用費を主とする情報化投資を抑制しようとする動きがあるように、この情報システムの不良資産化の問題は官民問わずに根が深い。 その不良資産を見極め、投資の面でも妥当性を分析・検証する有効な手段として、民間企業でも導入が進められているEA(Enterprise Architecture)は、情報システムと業務とを一体的に捉えて情報・データや設計図を蓄積し、全体最適を促す手法として注目を集めている。こうした手法を活用することにより、コスト削減に成功している事例もある。 このように、バブル崩壊後も積極的な情報化投資で成功し、不況の長いトンネルから抜け出すことができたケースと、逆に不良資産化の影響で情報化投資の肥大化が進み、経営が圧迫されて瀕死状態にあるケースとが入り交じっているのが現状である。この明暗を分けた一因として、BPRの実践の有無が少なからず影響している。 |
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