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オープンソースで構築する業務システム特集
第4回:オフコンからWebシステムへの流れ
著者:
ニユートーキヨー 湯澤 一比古
2006/6/9
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「Olut」は3杯目のビール
Olut(オルット)とはフィンランド語でビールの意味であり、このビールは当社にとって3杯目のビールとなる。1杯目はWebの食材発注システムのCerveza、2杯目はWebの予約情報管理システムのGARAGARADOAであり、それぞれスペイン語・バスク語でビールを指す。3杯目がOlutであり、食品卸向けの販売在庫管理のWebシステムになった。
図1:Olutのロゴ
1999年から社内で作ったシステムはできるだけオープンソースにする方針でやってきた。それは、一言でいえば「裸の王様にならないための工夫」といえるかも知れない。せっかく作ったシステムが独りよがりにならないように、またすぐに使えなくなってしまうことのないようにという1つの方策になっている。
1社だけで利用しているシステムは、保守を担当するシステムハウスに競争原理が働かないために、維持費が相対的に高くなってしまうものである。システムが多くの人の目に触れることで、閉じた世界でシステムを維持していく時には決して得ることのできない大きな利点がいくつかあるが、ユーザ企業にとっては「独りよがりにならない」「長く使い続けられる」ことが1番大きな利点になる。
業務の機能
現在Olutは当社の仕入業務関連の子会社である株式会社エヌティー・トレーディング・コーポレーションで、ニユートーキヨー店舗などへの納品と在庫の管理に利用している。元々オフコンで動いていたシステムのリプレースであり、帳票印刷の部分もポイントの1つになっており、PDFの出力に完全対応している。
図2:納品書
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
業務選択メニューの画面を参照すればわかる通り、販売管理システムとして基本的な機能はほぼ押さえてあるが、製品として販売するためにはもう少しアクセサリが欲しいところである。また、売掛の管理や入金管理のために顧客データベースと繋ぐためのインターフェースは作りこまれていない。
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著者プロフィール
株式会社ニユートーキヨー 湯澤 一比古
財務部情報システム室 室長。53年東京生まれ。
75年にニユートーキヨーに入社。8年弱のウエイター経験を経て、システム担当に就任。ニユートーキヨーが「セルベッサ」をオープンソースとして発表した時に、システム担当者として初めてOSSに触れる。現在、同社のシステム室長。OSCARアライアンス、OSSAJなど、複数のオープンソース推進団体に参加。セルベッサ以外にも「ガラガラドア」や「オルット」などのオープンソースシステムを手がけている。
INDEX
第4回:オフコンからWebシステムへの流れ
「Olut」は3杯目のビール
Olutの基本機能
システム構成
オープンソースとしてのOlut