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Eclipse 3.2とCallisto
Eclipse 3.2とCallisto

第1回:より洗練されたEclipse 3.2がついにリリース
著者:ビーブレイクシステムズ  川崎 博之   2006/8/25
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はじめに

   Javaの標準的なIDE(統合開発環境)となったEclipseですが、バージョン1.0がリリースされてから6年目を迎え、インターフェースや機能も洗練されて成熟期を迎えています。先月には、新バージョンであるEclipse 3.2とあわせてCallistoもリリースされ、より利用しやすい状況が整ってきました。

   本連載では、Eclipse 3.2の新機能と新たな取り組みであるCallistoについて解説していきます。

Eclipse 3.2の新機能

   Eclipse 3.2の新機能を見ると、Javaの新バージョン対応と操作性/利便性の向上がメインとなっていることがわかります。それだけ開発環境としては成熟してきたといえるでしょう。


   一方、RCP(Rich Client Platform)としてはまだ十分に成熟しているわけではないため、プラットフォームやSWTのAPIには様々な変更が行われています。RCPベースのアプリケーションやプラグインを開発されている方はチェックしておいた方が良いでしょう。

   表1にEclipse 3.2の主な変更点を示します。個々の詳細については次回以降で取り上げていきます。

  • Java 5/6に完全対応
  • リファクタリング機能を強化
  • アノテーションやシリアルバージョンIDの対応、コードスタイルやフィールド・メソッドアクセスの修飾子など一度に修正するクリーンアップ機能
  • ビュー表示を改善
  • デバック時の値の表示、キーワードによるフィルタリング表示、表示する項目タイプや問題などのツリー表示
  • パフォーマンスの向上
  • JDT Coreなどの改良によるパフォーマンスの向上
  • プラットフォームやSWT/JFaceのAPIを強化
  • OpenGLの使用や新規Widget、テーブルやツリーの表現力の向上、入力フィールドのアシスト表示など

表1:Eclipse 3.2の変更点

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ビーブレイクシステムズ  川崎 博之
著者プロフィール
ビーブレイクシステムズ   川崎 博之
芝浦工業大学 工学部卒業。学生時代よりJavaに興味を持ち、Java専業ソフトハウスである黎明期のビーブレイクシステムズに入社し、現在に至る。入社当時はPMから直接厳しい指導を受け、机上の勉強とは違う実際の業務システム開発の難しさに戸惑いを覚えたが現在は主任Java開発者として活躍し、Javaアーキテクトを目指し、日々修行中。

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