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Eclipse 3.2とCallisto
Eclipse 3.2とCallisto

第6回:開発環境という枠組みを超えて
著者:ビーブレイクシステムズ  川崎 博之   2006/11/2
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はじめに

   こんにちは、ビーブレイクシステムズの川﨑です。前回までは、Eclipse SWTおよびJFaceについての新機能を説明してきました。今回はプラグインやEclipse RCPの開発環境についての新機能を解説します。
エディタの機能強化

   開発環境で使用頻度が高いのがエディタです。豊富な機能と操作性のよさによって、作業のはかどり具合が大きく左右されます。以降より、エディッタに関連するEclipse 3.2の新機能を説明します。


MANIFEST.MFファイルの構造体比較

   Eclipse 3.1でのマニュフェストファイルの比較機能は単純な文字列の差分を比較するというものでしたが、Eclipse 3.2では構造体単位での比較機能が追加されました。具体的にはマニュフェストファイルをヘッダ単位で差分の有無が比較できます。

   図1の例で示すと、右上の「MANIFEST構造体の比較」という欄が新しく追加された機能の部分です。

MANIFEST.MFファイルの比較
図1:MANIFEST.MFファイルの比較
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   このように、「Bundle-SymbolicName」ヘッダに差分があることが一目でわかります。ヘッダ名をクリックすると、画面下部の「MANIFEST比較」では選択されたヘッダの差分情報のみが表示されます。

   また、Eclipse 3.1のマニュフェストビュアーはソースは単一色での表示でしたが、Eclipse 3.2ではソースをヘッダ/属性/値といったトークンに分解し、文字の色/太字/斜体を設定することが可能になり、どのヘッダにどういう値が入ったのか非常に見やすくなりました。

   設定するには、「メニューのウィンドウ → 設定 → プラグイン開発 → エディタ」で開かれた画面の「MANIFEST強調表示」タブから行います。

MANIFEST強調表示設定画面
図2:MANIFEST強調表示設定画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


build.propertiesファイルの検証機能

   ビルド時にbuild.propertiesファイルの問題をチェックする機能が追加されました。これは、検出された問題をJavaソースと同様にエディタの左端に問題もしくはエラーの存在を示すアイコンを表示するものです。そのアイコンの上にカーソルを置くとその内容の詳細が表示されます。

   build.propertiesファイルの問題のレベルを設定するには、「メニュー → ウィンドウ → 設定 → プラグイン開発 → コンパイラー」のプラグイン・タブを選択し、一番下の「build.propertiesファイルの問題」のコンボボックスで行います。

build.properties問題レベルの設定
図3:build.properties問題レベルの設定
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

build.propertiesファイルの警告表示
図4:build.propertiesファイルの警告表示


マニュフェストファイルのクイックフィックス

   機能拡張として、マニュフェストファイルでもクイックフィックス機能が使用可能となりました。

MANIFEST.MFファイルのクイック・フィックス
図5:MANIFEST.MFファイルのクイック・フィックス

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ビーブレイクシステムズ  川崎 博之
著者プロフィール
ビーブレイクシステムズ   川崎 博之
芝浦工業大学 工学部卒業。学生時代よりJavaに興味を持ち、Java専業ソフトハウスである黎明期のビーブレイクシステムズに入社し、現在に至る。入社当時はPMから直接厳しい指導を受け、机上の勉強とは違う実際の業務システム開発の難しさに戸惑いを覚えたが現在は主任Java開発者として活躍し、Javaアーキテクトを目指し、日々修行中。

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第6回:開発環境という枠組みを超えて
はじめに
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