前回は、BEA AquaLogic Service Bus全体の概要を説明しました。今回は、Webサービスでリクエストを受け付けて、その内容をJMSキューやファイルに出力する簡単なサンプルを構築します。このサンプルを利用して、AquaLogic Service Busを使ったESBの構築方法を解説します。
図1:サンプルの概要
AquaLogic Service Busの製品マニュアルの大部分はオンラインで公開されており、多くの情報を参照できます。AquaLogic Service Busに関する情報が必要になれば、まずは製品マニュアルを見ることをお勧めします。
準備作業として各種設定を行います。まずは「Configuration Wizard」を起動して、自動的に設定されたドメインを作成します。ウィザードが立ち上がったら、デフォルトのオプションとして選択されている「BEA WebLogic Server(Required)」に加え、「Workshop for WebLogic Platform」と「AquaLogic Service Bus」を選択してドメインを作成します。また、「User name」や「User password」などを必要に応じて設定してください。
このドメインの作成方法からもわかると思いますが、AquaLogic Service BusはWebLogic Server上で動作します。
それでは次に、WebLogic ServerにJMSキューを作成します。「WebLogic Server Console」にログインして、表1に示すリソースを設定していきます。左上の「チェンジセンタ」から「ロックして編集」を選んで設定をしてください。すべての設定が完了したら「変更のアクティブ化」をクリックして変更を反映してください。
JMSサーバ
名前
SampleJMSServer
永続ストア
SampleFileStore
対象
AdminServer
JMSモジュール
名前
SampleJMSModule
対象
AdminServer
接続ファクトリ
名前
SampleConnectionFactory
JNDI名
SampleConnectionFactory
キュー
名前
SampleQueue
JNDI名
SampleQueue
サブデプロイメント
SampleSubDeploy
表1:BEA WebLogic ServerのJMS設定
入力用のWebサービスには、リスト1に示す「SampleWSService.wsdl」を利用します。これは「Workshop for WebLogic Platform」から簡単に作成することができます。「id、item、number」を引数に持つ「send」メソッドを定義しています。
リスト1:SampleWSService.wsdl
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
それではAquaLogic Service Busを使って実装を行います。「AquaLogic Service Bus Console」にログインして、「Change Center」の「作成」を押します。こちらもWebLogic Serverと同じように作業が終わった「アクティブ化」を押して変更を反映するようにします。