企業通貨の主要素であるポイントについて、NRIではクレジットカード、携帯電話、航空、ガソリン、家電量販店、総合スーパー、百貨店、コンビニエンスストア、ドラッグストアの計9業界を取り上げ、その中でも売上上位企業(ポイント・マイレージを提供している企業に限る)に絞って、ポイント発行高を推計している(表1)。
業界 |
基本指標・数値 |
ポイント 適用率 |
ポイント 還元率 (%、円/マイル) |
年間 発行額 (百万円)
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指標 |
数値 |
クレジット カード (業界全体) |
ショッピング 取扱高 (百万円) |
29,161,100 |
100.0% |
0.5% |
145,806 |
携帯電話 (上位3社) |
売上総計 (百万円) |
8,736,663 |
100.0% |
1.0% |
87,367 |
航空 (上位2社) |
有償旅客 マイル (千人・ マイル) |
99,938,239 |
50.0% |
1.5円/ マイル |
74,954 |
ガソリン (主要3社) |
売上総計 (百万円) |
7,944,577 |
40.0% |
1.5% |
47,667 |
家電量販店 (上位10社) |
売上総計 (百万円) |
4,085,836 |
75.0% |
1.0% |
30,644 |
総合 スーパー (上位5社) |
売上総計 (百万円) |
11,694,213 |
50.0% |
0.5% |
29,236 |
百貨店 (上位10社) |
売上総計 (百万円) |
5,485,570 |
50.0% |
1.0% |
27,428 |
コンビニエンスストア (主要3社) |
売上総計 (百万円) |
3,280,015 |
15.0% |
1.0% |
4,920 |
ドラッグストア (上位5社) |
売上総計 (百万円) |
790,407 |
50.0% |
1.0% |
3,952 |
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合計:451,972 |
表1:各業界のポイント発行高
※注1:
ポイント付与基本指標・数値は、2005年度の各業界、各社(ポイント・マイレージ提供企業のみ)の売上高や取扱高、有償旅客マイルを採用している。
※注2:
ポイント適用率は、ポイント付与基本指標・数値にポイントやマイレージが適用される割合であり、NRI実施アンケート結果や各種公開情報を参考に、5%単位で設定している。
※注3:
ポイント還元率は、各社がWebサイトなどで公開している情報のうち、最も低いものをそれぞれの業界の基準還元率として採用している。
なおポイントには商品の購入に伴って付与されるものと、アンケートへの回答やキャンペーン登録などによって付与されるものなどがあるが、前者のみを市場規模推計の対象としている。また、紙やシールによって行われているものや、現金と引換にカードに金銭価値を付与する電子マネー(Edy、Suicaなど)は除いている。
また、実際にはキャンペーンなどで購入額にかかわらず提供されるポイントがあるほか、ポイント還元率も状況によって異なる(プレミアム会員はポイント2倍、特定商品はポイント3倍など)。
例えばNTTドコモは、独自の会員組織である「ドコモプレミアムクラブ」の会員向けに、ポイント付与率が通常の2〜5倍になるようなステージ制を採用している。そのほか、現在では100社を超える企業がポイントプログラムを提供しているため、実際に日本国内で発行されているポイントやマイレージの総額は、4,500億円を大幅に上回っている可能性が高い。
ポイントの発行規模は、今後まだまだ拡大し続ける可能性が高い。消費者にとってのポイントの魅力が高まってきている一方で、導入企業にとってのポイントの魅力も高まってきているからである。なおこれらは企業の業態変化によるところが大きいが、業態変化については次回で詳しく述べたい。
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