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メッセージング&コラボレーションソフトウェア「Scalix」の仕組みと使い方
第1回:Scalixを知る
著者:
日本スケーリックス 大塚 和彦
2007/3/16
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Scalixとは
本連載で取り上げる「Scalix」とは、Linuxプラットフォ−ムで動作するメッセージング&コラボレーションソフトウェアです。開発当初はクローズドソースで開発していましたが、2006年よりオープンソースで開発されています。本連載では、Scalixの使い方やその仕組みについて解説していきます。第1回の今回は、Scalixの機能概要や製品体系について紹介します。
Scalixはヒューレットパッカード(以下、HP)の「OpenMail」を母体として開発されています。HPが2001年にOpenMail Version 7.0以降のアップグレードは行わないとの発表をした後に、Scalix Corporation(以下、スケーリックス)はHPからOpenMailのソースコードライセンスを引き継いで、Scalixの開発を開始しました。その後、操作性の向上をはかり、最新の機能を追加していきました。
つまりScalixは、OpenMailの15年以上の実績をベースにして、最先端のクライアント実装技術を付加したメッセージング&コラボレーションソフトウェアということができます。現在は有償版の2つのエディションと、無償版のエディションを提供しています。
2007年3月現在での有償版の導入実績は600社以上、無償版を使ったサーバ台数は1万台以上、利用者は100万人以上となっています。すでに様々な国、業種、規模の企業・組織で採用されているのです。
日本におけるScalix評価版のダウンロード数も、2006年10月28日から2007年2月末日までの約4ヶ月間で6,000を超えており、その関心の高さがうかがえます。日本語版のScalixは、以下のWebサイトよりダウンロードすることができます。
Scalix Japan(日本スケーリックス)
http://www.scalix.co.jp/
Scalixの概要
ScalixはLinuxをプラットフォームとして動作し、Microsoft Exchange Serverと類似した機能を提供するサーバ製品です。
Scalixは、SMTPサーバ機能を内蔵しているため、別途メールサーバを構築する必要はありません。またメール機能以外にも、グループウェアとして利用できる様々な機能を提供しています。
Scalixの機能は、表1に示すクライアントソフトウェアまたは方式で利用できます。
Scalix Web Access(Internet Explorer 5.5 SP2、Internet Explorer6、Firefox 1.5に対応)
Microsoft Outlook(Scalix Connector for Outlookをインストールすることで利用可能)
Novel Evolution(Scalix Connector for Evolutionをインストールすることで利用可能)
POP3およびIMAP4対応のメールソフトウェア
Scalix Web Access Mobile(携帯電話、PDA)
表1:Scalixを利用できるクライアントソフトウェア
ただしクライアントごとに利用できる機能は異なります。クライアントと利用できる機能は表2の通りです。
Scalixの機能
Scalix
Web Access
Outlook
POP/IMAP
モバイル環境
メール
○
○
○
○
個人アドレス帳
○
○
メールソフトのアドレス帳を利用
直近の利用アドレスを表示
共通アドレス帳
○
○
共有フォルダ(共有アドレス帳、共有カレンダー、共有掲示板など)
○
○
カレンダー
○
○
メールソフトの機能を利用
代理人の設定
○
○
メールルールの設定
○
○
メールソフトの機能を利用
配布リスト
○
○
メールソフトの機能を利用
不在時設定
○
○
メールソフトの機能を利用
メールの検索
○
○
メールソフトの機能を利用
○
Todo
(今後の予定を表示)
○
○
メールソフトの機能を利用
メモ
○
○
会議通知
○
○
施設予約
○
○
表2:クライアント別の利用可能な主要機能
なお、Scalixの構造にはウイルス/スパム対策、負荷分散、メール/操作ログなどを取得するための仕組みが考慮されています。表2の機能の詳細や使い方などについては2回目以降に紹介していきます。
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著者プロフィール
日本スケーリックス株式会社 大塚 和彦
取締役 営業部長
リコー情報システム株式会社(現リコーテクノシステムズ株式会社)在籍中にLotus Notes販売事業のメンバー、その他ネットワーク、サーバインフラなどの営業を経験。その後、TISソリューションビジネス株式会社にてLotus Notes、その他グループウェア、ECサイト、検索サイトなどの営業経験を経て、現在日本スケーリックス株式会社にて事業計画、営業企画、マーケティング、営業活動などを行っている。
INDEX
第1回:Scalixを知る
Scalixとは
Scalixのライセンス体系
Scalixへの移行