最終回となる今回は、CentOS上にスパムメール対策を講じたメールサーバを構築する例を紹介します。ここで取り上げるメールサーバにPostfixを利用します。Postfixは通常CentOSにデフォルトではインストールされていません。したがって、下記コマンドを実行してインストールする必要があります。
#yum install postfix
またPostfixを標準で使用する場合、sendmailがインストールされている時になんらかの問題が発生する可能性があります。そのため、あらかじめアンインストールしておくことをお勧めします。アンインストールするには下記コマンドを実行してください。
#yum remove sendmail
#yum remove sendmail-cf
将来的にPostfixからsendmailに移行する可能性があるとか、どうしてもsendmailを残しておきたいときには、アンインストールせずに「system-switch-mail」を使用するとよいでしょう。このsystem-switch-mailはPostfix本体とメールシステム配送システムを切り替えるための管理ツールです。system-switch-mailをインストールし、コマンドを実行すると図1のような画面が出現します。
#yum install system-switch-mail
#system-switch-mail

図1:system-switch-mailのコマンドを実行したところ (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
ここでPostfixを選択し、「OK」で終了させます。これでsendmailが無効となり、Postfixが利用できるようになります。
Postfixの基本的な設定ファイルは「/etc/postfix/main.cf」です。このファイルも基本的な設定はすでに行われているので、変更が必要な箇所をあげていきます。
まずエディタで/etc/postfix/main.cfを開き、該当箇所を変更してください(図2)。

図2:変更箇所 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
以上で基本的な設定は完了です。変更した/etc/postfix/main.cfを保存してください。そうしたらPostfixを起動して設定を有効にします。正常に起動できればメールの送信が可能になります。

図3:Postfixが起動しているところ (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
では、メールが正常に送信されるか確認をしょう。
$ mail ユーザ名@ドメイン名 enter
subject: 題名・・・・・・
内容・・・・・・
入力後ctrl+Dを押す
Cc: enter
/var/mailの該当ユーザディレクトリにメールが蓄積されているので、catコマンドなどで表示させて送信テストしたメールが表示できればメールは正常に設定されています。
送信したメールの詳細例
Received: by localhost.localdomain (Postfix, from userid 0)
id E743ACB63E; Wed, 20 Jun 2007 14:46:58 +0900 (JST)
To: root@localhost.localhost.localdomain
Subject: test test testmail
Cc: localhost@localhost.localdomain
Message-Id: <20070620054658.E743ACB63E@localhost.localdomain>
Date: Wed, 20 Jun 2007 14:46:58 +0900 (JST)
From: root@localhost.localdomain (root)
this is test mail.
end
メールサーバが正常に稼働したら、次はスパムメール対策を行ってみましょう。
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