small talk on security
第1回:TOMOYO LinuxがPacSec2007に出会った
著者:NTTデータ 原田 季栄
公開日:2007/12/12(水)
PacSec2007に参加して〜はじめに
11月29日、東京青山で開催されたPacSec2007で「TOMOYO Linux: A Practical Method to Understand and Protect Your Own Linux Box」と題して講演を行いました。PacSecは講演も参加もはじめてでしたが、大変素晴らしい会議でした。
PacSecとはセキュリティをテーマとする国際会議です。PacSecの「Pac」は「Pacific」、「Sec」は「Security」をそれぞれあらわしています。姉妹イベントとして、カナダで行われる「CanSecWest」やヨーロッパで行われる「EUSecWest」があります。PacSecの開催は今年で5回目、日本での開催は3回目です。
PacSecのプログラムは「Dojo(セキュリティ・マスターズ道場)」と「Conference(セキュリティ・テクニカル・セミナー)」の2部構成となっています。本記事では、この中からConferenceについて紹介します。全部で13件の発表があり、うち3件が日本からのものでした。
会議の雰囲気は?
PacSec2007は東京、青山にある青山ダイヤモンドホールの地下1階の会議室で開催されました。余談になりますが、この会場はTOMOYO Linuxをオープンソースとして公開した2005年11月に「TOMOYO Linuxへの道」として講演を行ったまさに同じ部屋です。
図1:PacSecを支えるスタッフ
会場にはスタッフを含めて約100名程度が参加していました。国際会議というだけあって参加者の過半数は海外の方で、日本人は数えるほどでした。筆者は今年、サンノゼで開催された組み込みLinuxの国際会議、オタワで開催されたLinuxの開発会議に参加しましたが、PacSecの雰囲気はそのいずれとも異なったものでした。
PacSecは「アットホームで温かい」という表現がぴったりです。想像ですが、参加者のほとんどが毎回のようにPacSecに参加されており、お互いに顔なじみであるためではないかと思います。
PacSecの顔であり、司会を務めたDragos氏をはじめとするスタッフやスポンサーの皆さんもなごやかに参加者と歓談されていました。講演のテーマや内容は明確に技術志向なのですが、会場の雰囲気はとてもアットホームなのです。
そんな雰囲気の中で、私はTOMOYO Linuxプロジェクトの講演を行うことができました。 次のページ