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徹底比較!!クラスタソフトウェア
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第6回:Serviceguard for Linuxで実現するHAクラスタ

著者:日本ヒューレット・パッカード  古賀 政純   2005/12/19
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Serviceguard for Linuxの特徴

   Hewlett-Packard(HP)が提供するServiceguard for Linux(以下、SGLX)は、Linuxが稼動するProLiantサーバまたはIntegrityサーバでフェイルオーバー型の高可用性クラスタ(以下、HAクラスタ)を実現するソフトウェアです。

   SGLXの主な特徴としては表1があげられます。
  • ブレードサーバをサポートし、HAクラスタの結線作業の煩雑化を大幅に低減
  • SCSIおよびFibre Channel接続の共有ストレージのサポート
  • HP-UX版Serviceguardと同様の機能と管理手法をLinux版でも実現
  • 自由なカスタマイズにより、オリジナルのアプリケーションに対してもクラスタ化が可能
  • GUIだけでなくCUIによるクラスタ管理のサポートにより、複雑なインテグレーションが可能
  • 全世界で10万ライセンス以上の出荷実績
  • ライセンスはProLiantサーバ1台あたり25万円
  • 災害対策システムに対応

表1:SGLXの主な特徴

   SGLXの一般的なシステム構成を図1に示します。図1に示すように、HAクラスタを実現するすべてのクラスタノードには共有ストレージを接続します。

SGLXのシステム構成例
図1:SGLXのシステム構成例
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)



SGLXのクラスタノードのシステム構成

   クラスタノード上のローカルディスクにはLinuxが搭載されていますが、Linuxがインストールされているシステムディスクは、アレイコントローラによってハードウェアRAIDの構成を組みます。このため例えローカルディスクの一部に障害が発生しても、クラスタノードの稼動を継続させます。

   各クラスタノードには、HP Insight Management Agent(IMA)が稼動し、サーバの空冷ファン、冗長電源、筐体内温度などの各種ハードウェアコンポーネントを監視するように構成します。

   クラスタノードのハードウェアコンポーネントの状態は、ネットワーク上に別途設置したSystems Insight Manager(SIM)サーバで監視します。クラスタノードのハードウェアコンポーネントに障害が発生すると、SIMサーバに障害が通知されます。

   IMAは、障害通知以外にも現在のクラスタノードのハードウェアの状態も表示しますので、管理者はクラスタノードがフェイルオーバーしない場合でもそのクラスタノードにアクセスし、冗長コンポーネントの一部の障害状況を把握することが可能となっています。


Serviceguard for Linux Toolkit

   SGLXでは、各種アプリケーション(Apache、Samba、Tomcat、NFS、PostgreSQL、MySQL、Sendmail)に対してクラスタ化するための設定ファイルやモニタリングスクリプトのテンプレートが用意されています。

   このテンプレートはServiceguard for Linux Toolkitと呼ばれ、アプリケーションごとに用意されており、HPのWebサイトから無料でダウンロードすることが可能です。ダウンロードしたToolkitを各クラスタノード上で展開し、システム要件を満たすように設定ファイルやスクリプトを変更します。

   これらの設定ファイルやスクリプトは、オリジナルのスクリプトを記述するなどのカスタマイズが可能となっており、クラスタ要件が複雑で高度なシステムインテグレーションが必要となる場合でも柔軟に対応できるようになっています。


モニタリングスクリプト

   Toolkitに含まれているモニタリングスクリプトはアプリケーションのプロセスを監視します。監視は定期的に行われ、プロセスが異常な状態になった場合は、モニタリングスクリプトから、そのプロセスの再起動や復旧用スクリプトなどが実行されます。モニタリングスクリプトは様々なカスタマイズが可能となっていますが、主な機能としては以下があげられます。

  • プロセスの有無の監視
  • プロセスの再起動
  • ファイルシステム容量の監視
  • ログファイルに記録されているエラーメッセージの有無の監視

表2:モニタリングスクリプト

   モニタリングスクリプトを一から作成することもできますが、Toolkitに付属しているスクリプトをテンプレートとして作成するのが一般的です。

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日本ヒューレット・パッカード株式会社 古賀 政純
著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社
古賀 政純

2000年よりUNIXベースのHAクラスタシステム及び、科学技術計算システムのプリセールスに従事。並列計算プログラミング講習会などを実施。その後、大手製造業及び官公庁系の大規模Linuxクラスタの導入、システムインテグレーションを経験。現在は、大規模エンタープライズ環境向けのLinuxブレードサーバ及びHP Serviceguard for Linux(HAクラスタソフトウェア)のプリセールスサポート、システム検証を担当している。毎日、Linuxサーバと寝食を共に(?)しています。


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INDEX
第6回:Serviceguard for Linuxで実現するHAクラスタ
Serviceguard for Linuxの特徴
  SGLXの共有ストレージ接続構成とストレージパスのフェイルオーバー
  ネットワーク障害時におけるクラスタロック
  パッケージ制御スクリプト
徹底比較!!クラスタソフトウェア
第1回 クラスタソフトウェアの導入にあたって
第2回 日本が生んだ、ビジネスを守る信頼のブランド「CLUSTERPRO」
第3回 GUI操作だけでHAクラスタが構成できる「LifeKeeper」
第4回 企業情報システムとともに進化するClusterPerfectシリーズ
第5回 富士通の高信頼基盤ソフトウェア「PRIMECLUSTER」
第6回 Serviceguard for Linuxで実現するHAクラスタ
第7回 Red Hat Cluster Suiteの紹介
第8回 Windows Serverにおけるクラスタソフトウェアの進化
第9回 オープンソースソフトウェアの「Heartbeat」によるHAクラスタ
第10回 クラスタソフトウェア導入に際しての注意点
LifeKeeperのすべて
第1回 HAクラスタの基本とLifeKeeper
第2回 LifeKeeper for Linuxのインストール
第3回 LifeKeeper for Linuxの操作
第4回 LifeKeeper for Windowsのインストール
第5回 LifeKeeper for Windowsの操作(前編)
第6回 LifeKeeper for Windowsの操作(後編)
第7回 共有ファイルシステム「LKDR」と「DRBD ARK」
第8回 MySQL/OracleとLifeKeeperによるHAクラスタ化
第9回 LifeKeeperのコマンドライン操作
第10回 Microsoft SQL ServerとLifeKeeperによるHAクラスタ化
第11回 LifeKeeper Data Replication For WindowsとDisk-to-Disk Backup
第12回 様々なアプリケーションのHAクラスタ化を実現するGeneric ARK
第13回 ハードウェア冗長化
第14回 LifeKeeperの管理 - ログの確認方法とSNMPの設定
第15回 LifeKeeperの今後のロードマップと展望
HAクラスタソフトウェアの市場動向
市場からみるHAクラスタソフトウェアの採用動向