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徹底比較!!クラスタソフトウェア
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第9回:オープンソースソフトウェアの「Heartbeat」によるHAクラスタ

著者:バックボーン・ソフトウエア  青木浩朗   2006/1/13
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はじめに

   商用のクラスタソフトウェアがその市場を伸ばす中で、オープンソースソフトウェアによるクラスタソフトウェアも少しずつ改良が加えられ、その機能は進歩し続けています。

   クラスタソフトウェアはミッションクリティカルな分野で使用されることが多いため、「ベンダーの保障がないと使用できない」と導入を躊躇する企業が多いと思われているかもしれません。しかし、その特徴と適用分野を見極めることで、有効な運用が可能になります。


オープンソースにおけるクラスタ関連ソフトウェアの現状

   本連載の第1回の「クラスタリングの種類」でも紹介したように、一口にクラスタソフトウェアといっても、用途によって大きく3種類に分類されています。次にクラスタソフトウェアの用途とそれに対応したソフトウェアを紹介します。


HAクラスタ


   Heartbeatは2台のシステムで主にアクティブ・スタンバイ型のHAクラスタを構築する際に用いられ、HAクラスタとしての基本的な次の機能を持っているソフトウェアです。

  • 共有リソースの引き継ぎ
  • サーバの稼動監視
  • サービスの監視

表1:HAクラスタの基本的な機能


負荷分散クラスタ

Ultra Monkey
http://ultramonkey.jp/

   Ultra Monkeyは信頼性の高い負荷分散クラスタを実現するためのプロジェクトであり、単一のソフトウェアの名称ではありません。表2のようにいくつかのオープンソースのソフトウェアを組み合わせて使用することにより、1つのソフトウェアのように機能することを実現しています。

ハートビート 主にIPアドレスの引き継ぎに使用
LVS
(Linux Virtual Server)
http://www.linux-vs.orgで開発したロードバランサ構築のためのソフトウェア
ldirectord ハートビートに付属するソフトウェアで実サーバの死活やTCPのサービスを監視

表2:Ultra Monkeyを構成するソフトウェア

LVSの働き
図1:LVSの働き
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   負荷分散クラスタでは実サーバとして様々なサービスの提供が考えられますが、主にhttpやhttpsプロトコルに対してのリクエストを分散して処理するために活用されることが多いようです。

   負荷分散クラスタの場合、そのトラフィックのロードバランスを行うシステムに障害が発生するとすべてのサービスが停止してしまうために、一般にハートビートのようなHAクラスタの技術を使用して可用性を高めた状態で運用されます。


HPCクラスタ


   BeowulfはHPCクラスタを実現するための仕組みの総称であるため、特定のソフトウェアを指している訳ではありません。ソフトウェアとして、PVM(注1)、またはMPI(注2)が一般には使用されているようです。

※注1: PVM:Parallel Virtual Machine
http://www.csm.ornl.gov/pvm/
※注2: MPI:Message Passing Interface
http://www-unix.mcs.anl.gov/mpi/

   Beowulfの特徴として、市販の安価なPCを複数使用し、クラスタ専用の高速なネットワークを介して、特別なハードウェアを使用せずに計算速度の向上をはかれることがあげられます。

   世界のスーパーコンピュータのトップ500を公開しているWebサイト(注3)でも、近年Beowulfの仕組みを利用したクラスタソフトウェアを使用したLinuxのシステムが多数ランクインするようになり、安価な高性能システムが実現されているといえるでしょう。

※注3: TOP500 Super Computers Sites
http://www.top500.org/

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ババックボーン・ソフトウエア株式会社 青木 浩朗
著者プロフィール
バックボーン・ソフトウエア株式会社  青木 浩朗
ストレージ専業ベンダーにて、SEおよび企画を担当した後に、2001年にBakBoneSoftware入社。主に大手ベンダーのSEを担当しながら、テクニカル・マーケティングとして、各種講演や執筆活動を行っている。最近は、特にデータベースとクラスタリングに注力し、検証レポートを作成するのをライフワークとしている。


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INDEX
第9回:オープンソースソフトウェアの「Heartbeat」によるHAクラスタ
はじめに
  Heartbeatの仕組み
  Heartbeatにはない機能
  クラスタの設定
徹底比較!!クラスタソフトウェア
第1回 クラスタソフトウェアの導入にあたって
第2回 日本が生んだ、ビジネスを守る信頼のブランド「CLUSTERPRO」
第3回 GUI操作だけでHAクラスタが構成できる「LifeKeeper」
第4回 企業情報システムとともに進化するClusterPerfectシリーズ
第5回 富士通の高信頼基盤ソフトウェア「PRIMECLUSTER」
第6回 Serviceguard for Linuxで実現するHAクラスタ
第7回 Red Hat Cluster Suiteの紹介
第8回 Windows Serverにおけるクラスタソフトウェアの進化
第9回 オープンソースソフトウェアの「Heartbeat」によるHAクラスタ
第10回 クラスタソフトウェア導入に際しての注意点
LifeKeeperのすべて
第1回 HAクラスタの基本とLifeKeeper
第2回 LifeKeeper for Linuxのインストール
第3回 LifeKeeper for Linuxの操作
第4回 LifeKeeper for Windowsのインストール
第5回 LifeKeeper for Windowsの操作(前編)
第6回 LifeKeeper for Windowsの操作(後編)
第7回 共有ファイルシステム「LKDR」と「DRBD ARK」
第8回 MySQL/OracleとLifeKeeperによるHAクラスタ化
第9回 LifeKeeperのコマンドライン操作
第10回 Microsoft SQL ServerとLifeKeeperによるHAクラスタ化
第11回 LifeKeeper Data Replication For WindowsとDisk-to-Disk Backup
第12回 様々なアプリケーションのHAクラスタ化を実現するGeneric ARK
第13回 ハードウェア冗長化
第14回 LifeKeeperの管理 - ログの確認方法とSNMPの設定
第15回 LifeKeeperの今後のロードマップと展望
HAクラスタソフトウェアの市場動向
市場からみるHAクラスタソフトウェアの採用動向