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商用&OSSデータベースの現状と今後
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第5回:ホントにつながる?商用とOSSの異種データベース接続を見てみよう
著者:オフィスローグ 工藤 淳 2005/7/7
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「つながるかどうか?」よりも「どうつなげるか?」が現在の課題
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テーマに選んでおいていきなり恐縮だが、今「異種データベース接続」を考えるというのはどういうことだろうか?もし「そのデータベースシステムが他のデータベースにつなげられるか?」だけを問うのだとしたら、今どきあまり意味のないことなのではないだろうか。
というのも、これだけさまざまな環境が混在している現在、他につながらないデータベースとは、もはやそのまま"使えない"データベースである。実際問題として、少なくともエンタープライズ系ソリューションには存在し得ないといいきってもよいだろう。
なにしろ世の中の企業にとっては今、混在というよりも混乱に近いほどに進んだシステムの部分最適をどう解決するかが重要なテーマになっている。簡単にいえば、急激なIT化の中でそのつど行き当たりばったりに導入してきたシステムが社内にひしめき合い、あまつさえそれらがオンラインで結ばれるようになった。その結果、多種多様なシステム環境の運用・管理コストが膨大になり、適正な管理はおろか新規ビジネスのためのシステム投資もままならない状態に陥っているのである。
余談だが最近各有力ベンダーが、企業のPCの日常メンテナンスからトラブル対応までをリモートで一元管理するソリューションを盛んにリリースしているのも、こうした部分最適の無間地獄に悩む企業が増えている裏返しだといえるだろう。
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データ変換ツール=ETLツールとは何ぞや?
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そういう一種の混乱状態ともいえる現実を目の当たりにして、「どのデータベースが、どのデータベースにつながるか」などとのんきにいっている場合ではない。ユーザにしてみれば、つながらないデータベースなんていうのは論外で、問題は「どんなふうにつながるのか?」というのが、最新かつリアルな状況なのである。
これだけ色々なデータ環境が混在している中で使われるからには、それらをカバーする機能、すなわちデータ変換機能を備えていない商用データベースは存在しない。というよりもむしろ商用データベースを名乗るならば、先方のデータソースがどんな形式のものであれ、アクセスできて当たり前。さらにそれをいかにスムーズかつシームレスに、そして確実に処理できるかが、第一線で覇を競い合う商用データベースベンダーの腕の見せどころでもあるのだ。
ところで、当たり前だがデータ変換にはそのための専用ツールがいる。そもそもデータ変換ツールは一般にETL(Extract/Transform/Load)ツールと呼ばれる。データベースでいえば、各データベースのテーブルに蓄積されたデータを抽出(extract)し、データウェアハウス構築など利用したい用途に合わせて変換(transform)し、その出力先に合った形式で書き出す(load)といった一連の処理を行うソフトウェアの総称である。
図1:ETLツールの役割
ETLツールとしては、HPのSagent Solutionのような有名な専用ツールが以前からあったが、一般のデータベースユーザ向けというよりは、データウェアハウス構築やCRM等の統合データベースなどの高度なソリューションを扱う、いわば限られた専門家向けという印象だった。価格もBI(Business Intelligence)ツールのお約束で、それなりに高価なものだったのである。
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著者プロフィール
オフィスローグ 工藤 淳
IT技術系出版社勤務を経て、オフィスローグとして独立。データベース関連誌編集に携わっていた流れで、現在もデータベース系の執筆が比較的多い。元々は楽器から建築、自動車まで何でも注文があれば書いてきたのが、気がついたらIT専門のような顔をして仕事をしているのに自分で少し驚愕、赤面。
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