|
|
システム企画担当者のためのBIシステム導入の勘所
〜速く、安く、確実に導入するには〜 |
第6回:BIシステムをつくってみる−実践編(1) 設計−導入計画と要件定義
著者:アイエイエフコンサルティング 平井 明夫 2004/12/22
|
|
|
1 2 3 次のページ
|
|
はじめに
|
読者の皆さん、こんにちは。前回は、基礎知識編の最後として、BIシステムを構築するプロジェクトがどういうフェーズで構成されていて、それぞれのフェーズではどんなタスクを行うかということをご説明しました。
今回からは、お待ちかねの実践編に入ります。その第1回となる今回は、例題として提示されたユーザー企業のシステムに対する要望から、前回お話した手法を使って、実際に導入計画、要件定義の2つのフェーズを行ってみたいと思います。
|
導入計画
|
それでは、まず導入計画を行ってみましょう。この実践編では、PC本体及びその周辺機器を販売している企業を例題にします。この企業では、それぞれの製品の販売実績を過去に遡って分析し、現在の販売状況の把握や、これからの販売計画の作成に役立てたいと考えています。これがシステムの基本方針です。
次に全体構想ですが、このプロジェクトは次のような全体構想が立案されています。
|
「全体構想」
- 最初のBIアプリケーションは1年以内に利用可能とする。
- 分析ニーズは将来にわたって変化するため、アプリケーションの変更、追加は柔軟に短期間で行えるようにする。
- 初期投資は多めにとるが、その後の追加、変更作業は、少ない費用で実施可能にする。
|
この全体構想をもとに、開発方針は以下のように決定されています。
|
- 第1プロジェクト−販売管理、顧客管理といった業務系システムから取得可能なデータをもとに、6ヶ月間で、データウェアハウスを構築する。
- 第2プロジェクト−データウェアハウスから最初のデータマートと分析アプリケーションを作成する。個々で実現する分析ニーズは、もっとも基本的で要求度が高いものに限定し、3ヶ月間で完成させる。
- 第3プロジェクト以降−直前のプロジェクトのレビューをもとに、データマートと分析アプリケーションの拡張や追加を、3ヶ月から6ヶ月の単位で、繰り返し実施していく。
|
今回の実践編は、既に第1プロジェクトは終了しており、これから第2プロジェクトを開始するという前提とします。したがって、このプロジェクトの導入計画のまとめとして作成される基本計画書の骨子は次のような内容になります。
|
- 既に構築済みのデータウェアハウスをソースデータとして、最初のデータマートと分析アプリケーションを開発する。
- 開発期間は3ヶ月とする。
- 分析アプリケーションは、製品別の売上金額の推移を把握できるようになることを最低限の目標として、期間内に確実に完成できる範囲に限定する。
|
以上で導入計画フェーズが終了しました。
|
1 2 3 次のページ
|
|
|
|
著者プロフィール
株式会社アイエイエフコンサルティング 平井 明夫
日本DEC(現hp)、コグノス、日本オラクルを経て現職。一貫してソフトウェア製品の開発、マーケティング、導入コンサルティングを歴任。
特に、データウェアハウス、BI、OLAPを得意分野とする。現在、企業業績管理、管理会計などデータ分析ソリューションの短期導入を可能にするテンプレートやパッケージの開発を行っている。
|
|
|
|