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Ajax
Ajaxが開く未来

第1回:Ajaxとは
著者:HOWS  園辺 康弘   2006/3/2
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はじめに

   Ajaxは、枯れたオープンスタンダードなWeb要素技術を組み合わせた手法に対する名前であり、「Asynchronous JavaScript + XML」の略称である。

   2005年2月にその名前が登場して以来、IT業界を賑わせているAjax。本連載ではAjaxについて整理しつつ、その本質と可能性を追求する。
Ajaxが生まれた背景

   まずは、Ajaxが生まれた背景をおさえる必要がある。そのためにはAjaxとは切り離せないインタラクション・デザインに触れておかなければならない。


iPodにおけるインタラクション・デザイン

   読者の皆様の中にも、Apple社の「iPod」で音楽を楽しんでいる方は多いと思う。

   iPodのディスプレイの下のスクロールホイールを指で回すと、すぐに反応して画面上のカーソルが上下に動く。スクロールホイールを速く回すほど、カーソルの移動は速くなる。中央のボタンを押せば曲を選択できる。

   実は、これはとても優れたインタラクション・デザインだ(少なくとも筆者はそう考えている)。

   つまり、インタラクション・デザインとは、「人と操作対象との対話がスムーズに進むようにインタラクション(相互作用)をデザインする」ことだ。ユーザにとっては、インタラクション・デザイン自身が商品とも考えられる。


コンピュータにおけるインタラクション・デザイン

   これをコンピュータに置き換えてみよう。

   人がコンピュータを使ってある目的を達成する場合、「人が入力 → コンピュータで処理 → コンピュータが出力 → 人が解釈」といったサイクルを繰り返すことになる。

コンピュータのサイクル
図1:コンピュータのサイクル

   この人とコンピュータの対話のサイクルがスムーズに流れるためには、マンマシンインターフェースやレスポンススピード、体感を含む総合的なインタラクション・デザインが必要になる。

   適切なインタラクション・デザインがなされていなければ、人は思考を中断され続けたあげく、ストレスに蝕まれ、WebアプリケーションやWebサイトの利用率は低下していくだろう。

   ところが、WWWが登場して以来、デスクトップアプリケーションとWebアプリケーション(プラグインレスでAjaxを適用しないクラシックモデル、以下クラシックモデル)のインタラクション・デザインには依然としてギャップが存在している。

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HOWS  園辺 康弘
著者プロフィール
株式会社HOWS  研究開発担当  園辺 康弘
UNIX系業務システムおよびWebサイトにおけるプログラミング、システムインテグレーション、インフラ構築を経て、システムアーキテクチャの重要性に目覚める。その後、CTOの視点で、現代のSense-React型経営に追従するためのコンポーネント指向のシステムアーキテクチャ、先進テクノロジーの研究活動に従事。現在はAjaxを含むWeb2.0に関わる技術のリサーチと研究に没頭。音楽と馬をこよなく愛する。


INDEX
第1回:Ajaxとは
はじめに
  デスクトップアプリケーションとWebアプリケーションのギャップ
  JavaScript