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Linux/OSSの導入実態と今後の展望 |
第3回:オープンソースデータベースの導入状況
著者:矢野経済研究所 入谷 光浩 2005/4/27
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オープンソースDBの導入状況
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LinuxやSolarisのオープンソース化など、OSの領域ではオープンソースというものが当たり前のように受け入れられている。しかし、OSのもう1段階上のレイヤーであるデータベースやミドルウェアにおいては、まだまだプロプライエタリな商用ソフトウェアの世界となっている。
そのような中、近頃データベース領域においてオープンソースソフトウェア(以下OSS)が注目されるようになってきた。そこで第3回目となる今回では、オープンソースDBがユーザの中にどの程度浸透しているのかをアンケート調査結果から見ていきたい。
まず、オープンソースDBの導入状況について質問を行った。その結果、既にオープンソースDBを導入しているユーザは10.2%となった(図1)。また、「導入を検討中」は1.9%とわずかだが、「導入に興味がある」は25.4%となっている。これらと導入済みを合わせると、約40%のユーザが導入意向を示していることになる。
図1:オープンソースDBの導入状況と今後の導入意向
Linuxの調査とは違い、これまでオープンソースDBの導入状況に関するオープンな調査は、筆者が知る限り少なくとも国内においてはほとんど存在していない。したがって10.2%という数字に関してどう捉えるかがポイントになってくるが、筆者としては高い導入率だと考えている。商用ソフトウェアが当たり前となっている企業情報システムのデータベースにおいても、OSSの波が来ていることは間違いないだろう。
業種別では、OSS全般での傾向と同じように公共での導入率が最も多く29.5%となっており、2番目はサービス業で18.4%となる。一方、OSSやLinuxで見られたような企業規模に比例して導入率が高まる傾向はオープンソースDBでは見られなかった。最も導入率が高かったのは、年商501〜1,000億円の中堅クラスで15.5%となっている。
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導入されているオープンソースDBの種類
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オープンソースDBを導入しているユーザと今後導入意向があるユーザ(検討中+興味がある)に対して、既に導入している、もしくは今後導入したいオープンソースDBのソフトウェアの種類について質問を行った。
図2:オープンソースDBの種類別導入状況(複数回答可)
結果的にはPostgreSQLとMySQLに絞られた格好になった(図2)。導入済みユーザの中では71.9%がPostgreSQLを利用しており、46.9%のMySQLを1.5倍上回る結果となった(両方導入しているユーザも約15%存在している)。ワールドワイドではMySQLが普及しているとよく言われているが、この結果を見ると日本ではPostgreSQLの方が普及しているようである。
反対に、導入意向があるユーザに対して、これから導入したいソフトウェアを質問したところ、46.2%のMySQLが40.5%のPostgreSQLを上回る結果が見られた。両者の差は僅差ではあるものの、世界的なトレンドから見れば国内でもMySQLの普及が拡大する可能性も大きいと言えるだろう。
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書籍紹介
「企業情報システムにおけるLinux/オープンソースソフトウェアの導入実態と今後の展望 2005」
本記事は矢野経済研究所より発刊されている「企業情報システムにおけるLinux/オープンソースソフトウェアの導入実態と今後の展望 2005」から抜粋し、加筆、修正を行ったものです。上記調査資料には、さらに詳しいデータや分析結果が記載されています。調査資料のご購入は下記のリンクより行えます。
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http://www.yano.co.jp/mrnew/2005/01/C46112400.html
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著者プロフィール
株式会社矢野経済研究所 入谷 光浩
民間総合調査会社である矢野経済研究所のITリサーチ部門にて、サーバやミドルウェアを中心としたエンタープライズコンピューティングのリサーチを担当。近年はエンタープライズにおけるOSSの市場動向に着目しリサーチを行っている。
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