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OSS導入実態
Linux/OSSの導入実態と今後の展望

第5回:サーバ用Linuxディストリビューションの市場動向
著者:矢野経済研究所  入谷 光浩   2005/5/16
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Linux OS市場規模の推移

   基本的にLinuxはオープンソースソフトウェア(以下OSS)であり、コミュニティなどのWebサイトから無償でダウンロードできる。しかしユーザ調査結果(第2回)からもわかるように、企業の情報システムともなると独自でダウンロードしてインストールするよりも、ディストリビューションベンダーからパッケージを購入するというケースの方が多い。

   理由としては、ベンダーによって機能が充実されているパッケージの方がユーザにとって使いやすく、またサーバシステムの構築に必要な他のOSSも入っていること、さらにはベンダーのサポートサービスが受けられることなどが挙げられる。

   このような背景から、レッドハットなどのディストリビューションベンダーは、Linux OSを販売し、それに関連する製品やサポートサービスなどを提供することによってビジネスを成立させている。5回目となる今回は、このようなLinux OSの市場動向について述べる。


2004年は出荷本数6万本突破

   2003年から2007年までのLinux OSの出荷本数と売上金額(アップデートサービス含む)の市場規模推移を図1に示す。2003年のサーバ用Linux OSの出荷本数実績は42,300本、売上金額は22億1千万円となった。2004年の出荷本数は対前年比49.9%増の63,400本、売上金額は対前年比51.1%増の33億4千万円となっている。

Linux OSディストリビューションの市場規模推移
図1:Linux OSディストリビューションの市場規模推移

   2004年はサーバベンダーのサポート体制が整備されたこともあり、ベンダー向けのOEM出荷が好調であった。また、2003年から続く自治体向け案件に加え民間企業への出荷も多くなり、市場全体で高い成長を達成している。


2007年まで年平均30%以上の成長

   矢野経済研究所では、2005年のLinux OSの出荷本数は前年から34.5%増の85,300本、売上金額では39.5%増の46億6千万円になると予測する。さらにそれ以降もそのまま高い成長を維持することが予想される。

   2006年には10万本を突破し、2007年には15万本近くにまで達すると予測。2003年から2007年までのCAGR(年平均成長率)は36%と高い成長を達成することになるだろう。ユーザにおけるLinuxの認知度は高まっており、WindowsやUNIXと並んでOSの選択肢の3つ目として確立されてきた。サーバベンダーでもサポート体制を整備してLinuxを強力に推進しており、今後のLinux OS市場の高い成長が期待される。

   前述したように、現状ユーザで使われているLinux OSは、ディストリビューションベンダーの製品を購入するか、コミュニティなどのWebサイトからダウンロードするかに分けられる。

   Webサーバや部門サーバなどのフロントエンドでの導入は独自ダウンロードでも対応できるが、サーバベンダーが提唱しているように、今後ミッションクリティカルなハイエンドシステム領域へのLinux導入が進んでいくことになると、より信頼性が高くシステム構築をやりやすくするために、パッケージ化されているディストリビューション製品を購入する傾向がますます強まっていくことが予想される。それにともない、Linux OS市場はより活性化していくことが期待される。

   そのような中でミッションクリティカル向け機能が充実したハイエンド向けパッケージの出荷が増え、売上金額も出荷本数を上回る成長(2003-2007 CAGR:39%)を達成することが予想される。

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書籍紹介
「企業情報システムにおけるLinux/オープンソースソフトウェアの導入実態と今後の展望 2005」

本記事は矢野経済研究所より発刊されている「企業情報システムにおけるLinux/オープンソースソフトウェアの導入実態と今後の展望 2005」から抜粋し、加筆、修正を行ったものです。上記調査資料には、さらに詳しいデータや分析結果が記載されています。調査資料のご購入は下記のリンクより行えます。

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矢野経済研究所
著者プロフィール
株式会社矢野経済研究所  入谷 光浩
民間総合調査会社である矢野経済研究所のITリサーチ部門にて、サーバやミドルウェアを中心としたエンタープライズコンピューティングのリサーチを担当。近年はエンタープライズにおけるOSSの市場動向に着目しリサーチを行っている。


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INDEX
第5回:サーバ用Linuxディストリビューションの市場動向
Linux OS市場規模の推移
  Linux OSのシェア
  各ベンダーのビジネス戦略
Linux/OSSの導入実態と今後の展望
第1回 オープンソースソフトウェアの導入状況
第2回 Linuxの導入状況と基幹システムへの導入意向
第3回 オープンソースデータベースの導入状況
第4回 Linuxサーバの市場動向
第5回 サーバ用Linuxディストリビューションの市場動向
第6回 ソフトウェアのLinux対応動向
第7回 Linux/OSSの将来展望