業務システムでの利用進むiPhone 機動性と操作性を最大限に生かす

2010年5月26日(水)
IT Leaders編集部

(1)業務アプリケーション
閲覧中心の軽快アプリが主流

業務アプリケーション分野の2大ベンダーであるSAPとOracle。両者の提供するiPhoneアプリケーションは閲覧機能を主としたビューアーが中心だ。 編集機能を備えたものでも、可能な限りボタンのタッチや項目の選択といった簡単な操作に限定する。 「ユーザーがiPhoneに求めるのは多機能ではなく、移動中に片手で簡単に情報が得られる操作性の高さ」 (日本オラクルの瀬尾 直仁シニアマネジャー)という考え方に基づくものだ。

独SAPの「SAP BusinessObjects Explorer for iPhone」

画面1 独SAPの「SAP BusinessObjects Explorer for iPhone」

SAPは「現在開発中のすべてのアプリケーションは、iPhoneを含むスマートフォンで利用することを前提にしている」 (SAPジャパンのイノベーションデザイン&ディベロップメント担当の馬場 渉氏)という。 同社が提供するiPhoneアプリケーション第1弾が「SAP BusinessObjects Explorer for iPhone」(画面1)だ。 画面はグラフを中心とした構成で、グラフの部分をタップするだけでドリルダウン分析ができるなど直感的な操作を重視した。 データ分析はBIツール「SAP BusinessObjects Explorer」で実行し、iPhoneにはデータを蓄積しない。 SAPは現在、開発中の人間関係管理システム「SAP Social Network Analyzer」にも専用のiPhoneアプリケーションを用意している。

Oracleは、BIや顧客関係管理(CRM)といったアプリケーションごとに別々のビューアーを用意している。 「余分なメニューを徹底的に省くことで、iPhoneの限定された表示領域で迷わず情報を得られる」(日本オラクルの瀬尾氏)。 iPhoneの機能を生かしたアプリケーションの1つが、保守作業員向けアプリケーションの「Oracle Enterprise Asset Maintenance Workbench」だ。 iPhoneのGPS機能を利用し、保守作業員が自分の位置と保守対象の資産位置をGoogle Maps上で確認できる。 作業対象の資産を一覧したり、作業終了報告をすることも可能だ。

(2)グループウェア
ActiveSync対応で簡単同期

グループウェアの分野で多くのユーザーを抱えるMicrosoft ExchangeとLotus Notes/Domino。 iPhoneは標準でExchangeとのデータ同期機能を備える。Exchangeが搭載する携帯端末とのデータ同期モジュール 「Exchange ActiveSync」と接続する機能を標準搭載。これにより、社内のExchangeサーバーが受信したメールをiPhoneに自動配信できるようになる。

Lotus Notes/Dominoと同期できるiPhoneアプリケーションは、 前述したプライスウォーターハウスクーパースが利用するiAnywhere Solutionsの 「iAnywhere Mobile Office for iPhone」など、いくつか存在する。

IBMも2010年1月、Lotus Notes/Dominoとのデータ同期を実現する「IBM Lotus Notes Traveler Companion」の提供を開始した。 ActiveSyncモジュールを備えた「Lotus Notes Traveler」(Lotus Notes/Dominoユーザーは無償で入手可能)を Dominoサーバーに導入することで、Dominoサーバー上のメールなどをiPhoneに自動転送できる。

今回は詳説しないが、iPhoneのSafariブラウザから閲覧可能なグループウェア製品も多数存在する。 たとえばサイボウズは、iPhoneから同社製品にアクセスできる「サイボウズ リモートサービス」を提供している。 IBMもLotus Dominoへのアクセスを可能にするサーバーアプリケーションの「IBM Lotus iNotes Ultralite」を、 Lotus Notes/Dominoに同梱している。

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