日本と海外ではここまで違う! 日本でも有名な「海外のイベント」4選

2023年12月20日(水)
宮園 順光(みやぞの よりみつ)
今回は、日本にも浸透している(浸透しつつある)、海外の有名なイベント4つについて、日本と海外との違いや、その由来などを紹介します。

はじめに

皆さんにとって、1年の中で最もワクワクする日やイベントは何ですか。誕生日やハロウィン、クリスマスにお正月など、人によってさまざまだと思います。

小さい頃の私にとっては間違いなくクリスマスでした。しかし、物心がついた頃から身近なものだったクリスマスですが、海外に行って初めてどのような行事なのかを知ることになりました。

日本でも浸透している海外のイベントの中には、「実はそれらの由来や起源を知らない」という方も多くいるのではないかと思います。そこで今回は、クリスマスのようにかなり前から浸透している海外のイベントから、最近突如として登場したブラックフライデーといったものまで4つを紹介します。

それらのイベントの由来、そして海外と日本で祝い方の違い等を説明するほか、それらに関連性のある英単語も紹介します!

日本でも有名な海外のイベント その1:クリスマス

1つ目のイベントはクリスマスです。クリスマスは多くの方がご存知の通り、キリスト教徒がイエス・キリストの誕生を祝う特別な日です。しかし、キリスト教徒がそれほど多くない日本でも、形は異なりますが多くの人達が楽しむイベントになっています。

日本でのクリスマスは、子どもたちにとって「家でちょっと贅沢なご飯を食べた後にクリスマスケーキ、そして朝起きたら枕元にプレゼントが!」という、とてもワクワクする1日ですよね。もう少し大人になると「恋人と過ごす日」というイメージが強いのではないでしょうか。

しかし、海外ではその過ごし方がまったく異なります。クリスマスは家族と過ごす日となっていて、家族はもちろん、親せきや友人なども集まって食事を共にします。そのため、特に欧米では、年末年始よりもクリスマスにしっかり休暇を取る、という人が多いのです。

日本に住んでいる私の外国人の友人や同僚等も、家族が日本にいる人が帰国しないこともありますが、母国にいる両親や家族と会うために帰国する人も多くいました。それだけ多くの人達にとってクリスマスは特別なイベントと言えます。

クリスマスに食べる食事も、日本と欧米では異なります。日本ではフライドチキンとクリスマスケーキというイメージが強いと思いますが、欧米では七面鳥やハム等の肉料理を食べます。クリスマスケーキもありますが、日本のようなショートケーキといったものではないことが多いです。イギリスでは、クリスマスプディングと言って、フルーツケーキのようなものにブランデーソースやクリームを添えて食べる傾向にあります。

日本と欧米ではクリスマスの過ごし方や食べるものは異なりますが、いずれも「楽しく過ごす」という点では同じですね。

ここで、クリスマスに関連する英単語をいくつか紹介しましょう。

Christmas decorations:クリスマスツリーや家の飾りつけ
Stockings:クリスマスプレゼントを入れてもらうための靴下
Mistletoe:植物で作った飾りつけ。玄関や部屋の天井から吊るし、その下でキスをするという慣習がある
Eggnog
:卵とミルクベースの飲み物でクリスマスによく飲まれる
Roast turkey:クリスマスには七面鳥を食べる習慣がある

日本でも有名な海外のイベント その2:バレンタインデー

2つ目のイベントはバレンタインデーです。これも日本ではかなり前から「チョコレートをあげる」という行事として知られていますね。

このバレンタインデーの由来は諸説ありますが、最も有名なものは「3世紀のローマ帝国時代に遡る」と言われています。キリスト教の司祭バレンタイヌス(Valentinus)がキリスト教徒の結婚を助けたことがきっかけで、2月14日に処刑されてしまいます。

刑が執行される前に刑場の看守の娘に宛てた手紙に「あなたのバレンタイン」と署名し、愛を込めたメッセージを送ったと言われています。この話がバレンタインデーの起源とされ、その後、中世になると2月14日が「愛と情熱の日」として広まりました。

バレンタインデーの祝い方も国によって異なります。日本では皆さんもご存じの通り、女性から男性へチョコレートを贈る習慣が一般的です。最近では性別に関係なく、女性から女性に送ることも多くなってきていますね。また、バレンタインデーは恋人と過ごす日ともなっています。

アメリカでもバレンタインデーは人気があり、カードやチョコレートの贈り物が一般的です。また、カップルはデートや特別な夕食を楽しむこともよくあります。

私はベルギーのインターナショナルスクールへ通っていましたが、そのときは学校でバラを申し込んで送るという仕組みがありました。赤か白のバラを選び、希望する人へそれを送ってもらうというものです。驚いたことに、バレンタインデーになるとバレンタイン実行委員会のようなものに所属する人たちが、授業中にもかかわらず教室を回ってバラを渡していくのです。バラをもらえない人にはちょっと寂しいイベントでしたが、「海外はこうなんだ!」と思わせる良い経験になりました。

ちなみに、日本の3月14日にあたるホワイトデーですが、これは完全に日本独自のイベントで、海外には存在しません。そのため、海外でWhite Dayと言っても通じないので注意しましょう!

それでは、ここでもバレンタインデーに関連する英単語をいくつか紹介しましょう。

Sweetheart:恋人や愛する人のこと
Roses:赤いバラは愛を、白いバラは友情を表す
Heart-shaped:バレンタインデーでは様々なものが「ハート型」になるValentine’s cards:バレンタインデーに恋人や友人、家族へカードを送ることがある

日本でも有名な海外のイベント その3:ハロウィン

3つ目の行事はハロウィンです。日本では比較的ここ数年で広まったものと言えます。日本のハロウィンは文化的な要素ではなく、特に若い世代や子どもたちによる仮装やパーティーのような形で楽しまれています。商業施設や街中も、ハロウィンの時期になると一気にハロウィン仕様のデコレーションが登場しますよね。

日本では、意外とハロウィンの起源を知らない人が多いようです。ハロウィンは、元々ケルト人の伝統であるとされています。ケルト人は収穫の終わりを祝い、新年を迎える祭りを10月31日に行っていました。この日は太陽が沈むとともに死者の霊が現れると信じられていたため、人々は仮装して悪霊から身を守るために祭りを楽しんでいました。

その後、世界中にキリスト教が広まると同時に11月1日が「万聖節」(All Saints' Day)となり、その前夜の10月31日が「オールハロウズ・イヴ」(All Hallows' Eve)と呼ばれるようになったのです。これが後に「ハロウィン」へと変わり今に至ります。

海外でのハロウィンの祝い方は、国や地域によっても異なります。例えば、アメリカではハロウィンは街をあげた大規模な仮装パーティーやパレード、また家庭でデコレーションを行うことが一般的です。子どもたちは仮装して近所の家を回り、「トリック・オア・トリート」と言いながらお菓子をもらいます。

イギリスでも仮装やトリック・オア・トリートが行われます。パーティーやデコレーションも一般的に行われており、かぼちゃをくり抜いてランタンにする風習もあります。

ハロウィンに関連する英単語もいくつかあります。

Trick-or-Treat:子どもたちが仮装して近所の家々を訪れ、お菓子をもらう習慣
Jack-o'-lantern:カボチャの中身をくり抜いて灯りを入れた飾り。不気味な顔を彫ることが多い
Halloween costume:ハロウィンに着る仮装や衣装Haunted House:ハロウィン期間中に設けられるお化け屋敷で、幽霊や怪物が登場する

日本でも有名な海外のイベント その4:ブラックフライデー

さて、最後に紹介するのは、まだ「浸透している」とは言い切れませんが、大手スーパーやオンラインストアを中心に知名度が上がってきている「ブラックフライデー」です。

ブラックフライデーは、アメリカで「感謝祭」(Thanksgiving)の翌日にあたる金曜日に行われる大規模なセールを指します。感謝祭は通常11月の第4木曜日で、ブラックフライデーは感謝祭の翌日であることから、多くのアメリカ人が4連休を利用してショッピングに出かける日となります。

「黒い金曜日って何?」と思われた方も多いと思いますが、Fridayは実施される日から来ています。その金曜日を「ブラックフライデー」と呼ぶ由来はいくつかありますが、最も知られている説は、このブラックフライデーは「店の売り上げが急増し、赤字(負債)から黒字(利益)に転換する日」という部分から来ているというものです。

日本では何となく「季節のセール」という形で定着しつつありますが、ブラックフライデーにもちゃんと理由があるということですね。日本では2週間くらい「ブラックフライデー」というセール期間を設ける店もありますが、海外では基本的に短期集中で行われるセールを指します。

最後に、ブラックフライデーに関連する英単語をいくつか紹介します。

Early Bird specials:早い時間に買い物を始めると特別価格や割引が得られるセール
Flash sale:短時間限定の特別なセール。売切必至のため急いで購入する必要がある
Shopping spree:一気に大量の買い物をすることCyber Monday:ブラックフライデーの数日後にオンラインストアで行われるセールイベント

おわりに

今回は、日本にも浸透している(浸透しつつある)、海外の有名なイベントを4つ紹介しました。元々の由来を知っていたものはどれだけありましたか。

海外から取り入れられたイベントや習慣などは、今回紹介した以外にも、もちろん沢山あります。しかし、意外にそれらがどういったものか知らない、ということもあると思います。そんなときは調べてみると、よりそのイベントが楽しく感じられるようになるのではないでしょうか。

また、イベントの由来や起源を調べることで、「実は日本のイベントでもあまり由来を知らない」というものも出てくると思います。そういったものを理解することで、海外と日本両方を知るきっかけにもなりますね。

ぜひ、そういった行事がある場合は、調べてみてください!

著者
宮園 順光(みやぞの よりみつ)
株式会社グローレン
株式会社グローレン 取締役。小学校〜高校卒業までをベルギーで過ごす。上智大学を卒業後、大手英会話スクールにて7年間教務主任として多くのクラスを担当。外国人講師の指導にも従事。マンツーマン英会話教室の代表を経て、2014年から現職にて語学プログラムの総監修を務める。これまで1万人以上にレッスンを提供。TOEIC990点、英検1級。

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