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| 常駐・派遣型から脱却できない理由 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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IT業界がなかなか常駐・派遣主体のビジネスから脱却できないのは、一括請負契約のプロジェクトで失敗するからです。もちろん経営者の多くは、一括請負型のビジネスを目指したいと思っているのですが、手を出しては火傷をするという状態が繰り返されています。確かに、規模の大きなシステム開発を一括請負型で成功させるのは難しいことです。 ましてや10のプロジェクトのうち、9つ成功しても残り1つの大失敗により帳消しになるというのが請負ビジネスの怖いところです。かくして、経営者の多くはやはりリスクのない人月契約に頼ることになり、なかなか常駐・派遣主体から脱却できないのです。 |
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| 請負ビジネスで成功するためには | ||||||||||||||||||||||||||||||
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筆者の会社は、創業以来ずっと常駐・派遣型ビジネスではなく一括請負型ビジネスを貫いてきました。もちろん失敗プロジェクトもありましたが、その反省を次に生かしてプロジェクトの成功率も高くなってきたと思います。一括請負型はもちろんリスクは高いですが、その分成功すればリターン(利益)も大きくなります。また、何よりも参加したメンバーのモチベーションが高く、スキルアップが図れるというのが大きな成果です。 日本のIT業界が国際競争力を高めるには、派遣主体の体質を変えることから始めるべきだと思っています。そのためには、請負プロジェクトの成功率を向上させる必要があります。その具体的な対策が本連載のテーマであるプロジェクト管理力の強化なのです。 きちんとしたプロジェクト管理体系もなく、スタッフに管理スキルを教育していない状態で請負契約を結ぶのは、トレーニングもろくにしないで山に登るようなものです。低い山なら大丈夫でしょう。しかし、高い山に登るには、当然のことながら十分な訓練や事前準備、気象情報把握などが必要になります。 |
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| リスク管理 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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山登りには危険が伴います。天候が悪化したり、メンバーが病気になったり、転落したり、道を間違えたり…さまざまなリスクがはらんでいて、それに対する十分な予見と対策が必要になります。プロジェクト管理においても、リスクの予見と対策をおろそかにしてはいけません。 PMBOKにおいてもリスク管理は1つの管理エリアとして取り上げられています。PMBOKのリスク管理は、表1のように「リスク管理計画」、「リスクの特定」、「リスクの定性分析」、「リスクの定量分析」、「リスク対応計画」という5つの計画プロセスと「リスクの監視と管理」という管理プロセスから構成されています。 |
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表1:PMBOKのRisk Managementの6つのプロセス |
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