ゲームの仕様を考える

2011年4月11日(月)
北村 真二

ゲーム難易度の設定

ゲームの難易度をどのように設定するのかを考えよう、「Rabbit Maze」は「オオカミから逃げながら迷路に配置されたニンジンをすべて回収する」というゲームだ。このルールでゲームの難しさを左右する要素はなんだろうか?考えられるのは「配置」だ、ニンジンの配置とオオカミの配置、そして数。それらの増減によって難易度を調整するという方針をとることにする。またゲームには制限時間を設けるのでこの時間を変えることでも難易度を変えられる。

ゲーム画面の構成

ゲームのメイン画面であるプレイ画面のレイアウトとその他のゲーム仕様を説明する。ゲーム画面は主に次の2つで構成されている。

・データ表示部

スコアや残りライフ、残りタイムが表示されている。そして「スタミナ」が表示されている。

スタミナはうさぎが移動することで減少していき停止すると少しずつ回復していく。スタミナが無くなればうさぎは一定時間移動不能となる。

・ステージマップ

実際にゲームキャラクターが動きまわるマップだ。横10マス、縦11マスのグリッド状に区切られており、そこに壁で障害物が作られて迷路状になっている。キャラクターはこの10×11のマス目を移動する。そしてそのマップ上にはニンジンが配置されており、うさぎを操作してこれらのニンジンすべて取ればマップクリアだ。

ニンジンは黄色と赤の2種類があり、最初に黄色いニンジンを取れば高得点となる、またニンジンを取るとランダムで「特殊効果」が発生するようにしている。特殊効果は「無敵」「スピードアップ」「時間無制限」「スタミナ無限」の4つだ。「無敵」は一定時間、その他はダメージを受けるまで効果が持続する。

またマップには「うさぎの穴」が2カ所存在する。この穴はいわゆる「ワープゾーン」になっており、片方の穴に入ればもう片方の穴に瞬間移動できる。

図4:ゲーム画面レイアウト(クリックで拡大)

ゲームの操作

プレイヤーがすることは「うさぎを操作してニンジンを取っていく」ことだ、うさぎをどうやって操作するかについて「Rabbit Maze」では、タップしたマス目を目指してうさぎが移動するようにした、これは初めの方に書いた「簡単な迷路探索のアルゴリズム」を利用するためでもある。ゲームでの操作は以下のようになる。

  • マップのどこかをタップする
  • そこがうさぎの移動目標となり矢印が表示される
  • 移動目標にうさぎが到達すれば停止する
  • 到達前に別の場所がタップされたらその場所が移動目標となり矢印が表示される

ゲームの内容は概ねこのような感じだ、他にも色々な仕様があるのだが、それは次回以降随時説明していく。第2回はこの仕様を実際にどのように実装しているのかというプログラム部分を説明していこうと思う。

STUDIO SHIN

家庭用ゲームの企画開発、Mac OS / iOSアプリの開発を主な生業とする。
20年ほど前から家庭用ゲーム開発に携わりファミコンからDS、PSP、Wiiまで幅広く開発。15年前からMac OS Xアプリケーションを開発「DotShotX」「GIFQuickMaker」などを公開。iPhoneアプリ「将棋盤」「DotTouch」「Rabbit Maze」などを開発。開発アプリはアップルのApp Storeで公開中。

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