Amazon LinuxにPostgreSQL 9.0をインストールする

2011年10月25日(火)
宮原 徹(みやはら とおる)

クラウドサービスの代表例とも言えるAmazon EC2を使ってWebアプリケーションを動作させるため、LinuxとApache、PHPとPostgreSQL 9.0、いわゆるLAPP環境を構築する手順を解説する。

なお、本連載ではPostgreSQLのデータベースを操作するためのSQLなどについては触れていないので、LPI-Japanが無償で提供しているテキスト「オープンソースデータベース標準教科書」を参照して欲しい。PDF版、EPUB版が提供されているので、作業時に参照できるようにしておくと良いだろう。
→参照:「オープンソースデータベース標準教科書」ダウンロードページ

PostgreSQL 9.0のインストール

第2回では、PostgreSQL 9.0をAmazon Linuxにインストールする。インストールするには、yumリポジトリを登録する方法と、RPMパッケージをダウンロードしてきてインストールする方法がある。

yumリポジトリを登録する

「PostgreSQL RPM Building Project」のyumリポジトリ設定用RPMをインストールする。手順は以下の通りだ。

1. クライアントのWebブラウザで「PostgreSQL RPM Repository(with Yum)」にアクセス

→参照:PostgreSQL RPM Repository(with Yum)

図1:PostgreSQL RPM Repository(with Yum)画面(クリックで拡大)

2. 「Please click here and download the repository RPM based on your distro and PostgreSQL version you want.」のhereをクリック

図2:letter_p.group画面(クリックで拡大)

3. PostgreSQL 9.0のリストにある「CentOS 6 - i386」のリンク先URLをコピー。

例えばFirefoxを使っていれば、リンクを右クリックして「リンクのURLをコピー」を選択する。

4. 端末でwgetコマンドを使ってEC2のインスタンスにダウンロードする。

  # wget http://yum.pgrpms.org/9.0/redhat/rhel-6-i386/pgdg-centos90-9.0-5.noarch.rpm
  --2011-10-11 05:59:20--  http://yum.pgrpms.org/9.0/redhat/rhel-6-i386/pgdg-centos90-9.0-5.noarch.rpm
  yum.pgrpms.org をDNSに問いあわせています... 77.79.103.58
  yum.pgrpms.org|77.79.103.58|:80 に接続しています... 接続しました。
  HTTP による接続要求を送信しました、応答を待っています... 200 OK
  長さ: 5304 (5.2K) [application/x-rpm]
  `pgdg-centos90-9.0-5.noarch.rpm' に保存中
  
  100%[======================================>] 5,304       --.-K/s 時間 0.001s 
  2011-10-11 05:59:21 (4.98 MB/s) - `pgdg-centos90-9.0-5.noarch.rpm' へ保存完了 [5304/5304]

5. rpmコマンドでインストール

CentOS用のパッケージのため、依存関係に問題があるが、rpmコマンドに--nodepsオプションをつけて依存関係の解消を行わずにインストールを行う。

  # rpm -ivh --nodeps pgdg-centos90-9.0-5.noarch.rpm 
  警告: pgdg-centos90-9.0-5.noarch.rpm: ヘッダ V4 DSA/SHA1 Signature, key ID 442df0f8: NOKEY
  準備中...                ########################################### [100%]
    1:pgdg-centos90       ########################################### [100%]

6. /etc/yum.repos.d/pgdg-90-centos.repoの内容を変更

yumリポジトリ登録用のパッケージをインストールすると、/etc/yum.repos.d/pgdg-90-centos.repoが作成される。依存関係を解消しなかった関係上、ディストリビューションのバージョン番号が取得できないので、設定ファイルの変数を手動で書き換える。

著者
宮原 徹(みやはら とおる)
日本仮想化技術株式会社 代表取締役社長兼CEO

日本オラクルでLinux版Oracleのマーケティングに従事後、2001年に(株)びぎねっとを設立し、Linuxをはじめとするオープンソースの普及活動を積極的に行い、IPA「2008年度 OSS貢献者賞」を受賞。2006年に日本仮想化技術(株)を設立し、仮想化技術に関する情報発信とコンサルティングを行う。現在は主にエンタープライズ分野におけるプライベートクラウド構築や自動化、CI/CDなどの活用について調査・研究を行っている。

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