第1回 クラウド時代に求められるネットワークのパフォーマンス

クラウド時代の到来

クラウドコンピューティング(以下、クラウド)の出現により、企業や組織がITインフラストラクチャを設計、構築する際の選択肢が増えたと言えます。パフォーマンスや可用性、コスト、制御を考えた場合、様々な条件から、合理的な組み合わせを選択できるようになったのです。結果的に、企業ではデータセンターの統合化が進み、特定アプリケーションやデータをコスト効率の高いパブリッククラウドへ移行するという動きが促進されました。クラウド移行の重要な要件として、パブリッククラウドとプライベートクラウド(現在の環境)をどのように統合していくのかが課題です。このようにパブリック環境とプライベート環境が融合した状況を、ハイブリッドクラウドと言います。

クラウドの発展にともない、企業側では、データセンターの統合やサーバーの仮想化という技術を用い、既存のIT環境をプライベートクラウドと呼んでもふさわしいレベルへと発展させています。同時に、パブリッククラウド事業者では、新しい標準、サービス、開発ツールなどが研究され、IaaSやPaaS、SaaSといったパブリッククラウドをより企業で利用し易い形態へと発展させています。このようにパブリック側で開発されたサービスに対して、企業は既存のIT環境との統合性を考慮したり、クラウドサービスを部分的な既存IT資産の代替リソースとして検討しています。

企業内でこれまで閉じていたプライベートクラウドの環境と、企業外から提供されるパブリッククラウドの環境を併用した場合、企業がハイブリッドクラウドを利用開始したという事になります。ハイブリッドの環境は、従来企業側で管理してきたITの壁が崩壊した事になり、アプリケーション処理やストレージが、もはや何処にでもあり、かつ何処からでも利用できるようになるのです。ネットワークで、IPプロトコルや、インターネットはごくあたりまえの物であるように、クラウドはこれまで企業内のデータセンターで管理されてきたコンピューティングに新しいユニバーサルな考え方を取り込もうとしています。

図1:ハイブリッドクラウド利用時のネットワーク例

著者について

伊藤 信

リバーベッドテクノロジー株式会社 伊藤 信

米ジョージ・メイソン大学卒業後、シスコシステムズの日本法人に入社。
ITベンチャー数社でSE、Technical Consultant、Business Development、Strategy & Execution Directorを経験し、07年にリバーベッドテクノロジーへ入社。同社でマーケティングマネージャーに就任。

IT Leaders 毎月無料でお届けいたします

本誌は、読者登録いただくことにより、毎月無料でみなさまのお手元まで直接お届けいたします(書店などでは販売していません)。

企業の情報システムを担当する方々や事業部門のIT担当の方々、およびIT関連プロフェッショナルの方々を対象に、実践的に役立つ情報を掲載、幅広く業務にご活用いただけます。

IT Leaders新規購読お申し込みはこちらから