アプリ開発から公開までの疑問に答えるQ&A

2012年5月21日(月)
PROJECT KySS

これまで12回にわたって、Windows Phone アプリの企画から開発、マーケットプレイスへの公開までの、一連の作業を解説してきました。

最終回の今回は、2本目、3本目のアプリを開発していく上で知っておきたいことを、Q&A形式でまとめてお伝えします。

[アプリ開発で知っておきたいことのQ&A目次]
  • Q1. 有料アプリ公開のために必要な手続きはありますか?
  • Q2. 試用版を公開することはできますか?
  • Q3. リジェクトされないためには何に注意すればよいでしょうか?
  • Q4. 素材の画像を効率よく同じサイズにしたいのですが?
  • Q5. タイルの書体を一味違うものにしたいのですが?
  • Q6. サンプルを参考にしてアプリを作ってもいいですか?
  • Q7. 英語版のみと、ローカライズ、どちらがよいでしょうか?
  • Q8. アプリのカテゴリはどのように決めればよいでしょう?
  • Q9. 申請~公開まで、どの程度の日数がかかりますか?
  • Q10. ダウンロード数の詳細を知りたいのですが?

Q1. 有料アプリ公開のために必要な手続きはありますか?

有料アプリを公開する場合は、ロイヤルティーが発生した時、これを受け取るために、税務処理上の情報の設定が必要となります。この設定作業は、アプリの申請後に行ってもかまいませんが、できるだけ事前に済ませておく方がよいでしょう。

まず、APP Hub の「ダッシュボード」「Windows Phone」を選択して、Windows Live IDでサインインして管理ページを開き、銀行情報を登録します。キャンペーンの応募者でもなければ、「APP Hub 12 ヶ月間メンバーシップを購入」しているケースが大半かと思われますが(第1回参照)、メンバーシップ料を引き落とす銀行の情報とは別に、この登録が必要です。

管理ページの右下にある「通知」欄の「銀行情報を更新して下さい。」をクリックします(図1)。

 図1:APP Hubで「通知」欄から銀行情報を登録する(クリックで拡大)

マイアカウントのページが表示されますので、「支払い設定」の各項目に、英語で入力します(図2)。入力例は、「銀行情報の設定手順 」のページに載っていますので参照してください(図3)。APP Hub登録時の氏名を日本語で入力している場合でも、支払い設定の、銀行口座の名義人の名前は、英字で入力します。

 図2:マイアカウントの「支払い設定」ページ(クリックで拡大)
 図3:銀行情報の設定の例(クリックで拡大)

銀行名と支店名については、取引先銀行のWebサイトにアクセスして、ホームページの下に記載されているものをコピペすればよいでしょう。BIC/SWIFTコードも、取引先銀行の外国送金のページに掲載されています。見つからなければ検索キーに「BICコード」と指定すれば分かるでしょう。BICコードは、国際銀行間金融通信協会が世界の銀行を特定するために定めたコードです。図4は、伊予銀行の例です。

 図4:銀行情報の設定の例(クリックで拡大)

銀行情報の登録ができたら、「支払い設定」ページからリンクされている「W-8BEN」(図5)の書類(図6)をダウンロードします。

 図5:「支払い設定」ページから「W-8BEN」の書類をダウンロードする(クリックで拡大)
 図6:「W-8BEN」の書類(クリックで拡大)

この書類を印刷して、必要事項を記入します。図7は、実際に有料アプリ申請に際して提出して受理された個人開発者の記入例です(図中の情報はダミーです)。図6とはフォーマットが異なりますが、内容は同じです(図7)。ただし、個人開発者で納税者番号を取得していない場合は、Part Iの「6」、Part IIの「9b」と「10」の記入は不要と思われます。

Part Iの1の氏名については、発行者名と本名が異なる場合、本名[ 発行者名] のように記入します。
→参照:支払い(msdn)

 図7:「W-8BEN」の書類への記入例(クリックで拡大)

書類に記入できたら、PDFまたはPNG形式で保存し、メールに添付して送信します。

マイアカウントの支払い設定のページ(前掲の図3)には、「4. 署名して日付を記入した書類を、下記の宛先に郵送します。」とありますが、納税者番号を取得していない個人開発者の場合、郵送は不要です。送信先のメールアドレスについては、MSDN内「支払い」説明ページの「5. W-8 の書類を電子メールで送信することはできますか?」を参照してください。
→参照:支払い(msdn)

この時、APP Hubの発行者名などを日本語で登録している場合は、メール本文に、日本語と英語を併記して送るとよいでしょう。

APP Hubの登録者情報を失念した場合は、左上の「アカウント情報」から確認できます(図8)。

無料アプリの場合、アカウント情報の氏名は日本語でもかまいませんが、有料アプリの場合は、「W-8BEN」の書類と対応させる必要があります。日本語名で登録されている場合は、先方で変更手続きをとるようです。その旨のメールが届きますので、指示に従ってください。

 図8:APP Hubの発行者名などを日本語で登録している場合は、英語に変更となる(クリックで拡大)

以上の手続きに不明点があれば、App Hub のフォーラム(App Hub 全般)で質問するか、Windows Phone 開発者事務局まで問い合わせましょう。その際、図8のアカウント情報の右下にある「ISV ID」コードが必要になります。

銀行情報の設定手順に関する事前の確認や手順についての問い合わせフォームは、「銀行情報の設定手順と注意事項 」の下からリンクされています。
→参照:銀行情報の設定手順と注意事項(APP HUB)

価格設定と支払い条件については、「Windows Phone Marketplace の FAQ」を参照してください。
→参照:Windows Phone Marketplace FAQ(msdn)

また、次の「よくある質問」を参照してください。
→参照:よくある質問 > 申請者の氏名やロイヤルティーについて(APPHUB)

四国のSOHO。薬師寺国安(VBプログラマ)と、薬師寺聖(デザイナ、エンジニア)によるコラボレーション・ユニット。1997年6月、Dynamic HTMLとDirectAnimationの普及を目的として結成。共同開発やユニット名義での執筆活動を行う。XMLおよび.NETに関する著書や連載多数。最新刊は「Silverlight実践プログラミング」両名とも、Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。http://www.PROJECTKySS.NET/

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