新型ロボットと新クラスが追加された、ETロボコン2014の新たな挑戦とは

2014年2月20日(木)
Think IT編集部

新走行体「NXTrike」登場

アドバンストクラスでは、使用するロボットも変更される。ここで登場するのが、新設計のロボット「NXTrike(エヌエックストライク)」だ。「Trike(="Tricycle")」という名前が示す通り、3輪タイプのロボットで、外見同様これまでの2輪タイプのロボットとは操作が大きく異なる。

ETロボコン2014で登場する新型走行体「NXTrike」(クリックで拡大)

NXTrikeを一見すると、タイヤが増えたことで安定性が高く制御が簡単なように思えるが、それは間違いだ。前輪と後輪の距離(ホイールベース)ができたことでステアリングが難しくなり、これまでの倒立二輪タイプの走行体のようにその場で転回する事ができなくなる。

本部技術委員長の江口亨氏はほかにも、ウォームギア採用でステアリングが遅めになり、コントロールが難しくなることや、重心が高いことによるコーナリング突入時のスピードに気を使う必要などを説明した。

アドバンストクラスのために新しく設計されたNXTrikeが備えている特長の中でも特筆すべきは、ギア比の変更によるスピードアップが可能になった点だ。これまでのスピードを1倍速とすると、最大で5倍速という、とんでもない速さでロボットを走らせることができる。

ギアの組み合わせ次第では従来の5倍のスピードで走行が可能(クリックで拡大)

発表会では3倍のスピードを見せてもらうことができたが、それですら相当な速度であり、まして5倍のスピードともなると、なかなか想像することができない。高速で駆け抜けるか、着実に難所をクリアしていくか、難易度の上がったコースをどう攻略するかはチームの作戦にかかっている。

他にも、重心の高さを生かした“尻尾走行”やウィリー走行ができるなどの特長があわせて紹介された。なお、NXTrikeは従来のNXTに付属するパーツで組み立てられるため、既に走行体キットを持つ参加者にとっては新たに部品を購入する必要がなく、費用面でも利点だといえる。

その他のNXTrikeの特徴(クリックで拡大)

ちなみに、アドバンスクラスだけでなくアーキテクト部門でも、倒立2輪タイプとNXTrikeのいずれかを選択して参加することができる。

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