Kinect for Windows v2における概要と開発環境

2014年9月4日(木)
薬師寺 国安

Kinect Studioとは

またToolkitとは別に「Kinect Studio」も付属しています(図12)。Kinect Studioは、Kinectアプリケーション開発支援ツールです。Kinect Studioは、Kinectから取得できる「Color」や「Depth」のストリームデータをファイルに記録して、いつでも再生して確認できるツールです。 この「記録」と「再生」機能により、Kinectアプリケーションの開発やデバッグを大変に楽にしてくれる点が、Kinect Studioの特徴です。

図12: Kinect Studioの画面(クリックで拡大)

Kinect v2プログラム作成手順

今回のKinect v2プログラミングはWindows Presentation Foundation(以下、WPF)で作成します。無料版のVisual Studio 2013 Express(以下、VS2013 Express)では、WPFを作成できませんので、原則として今回のプログラムは、Visual Studio 2013 Professional(以下、VS2013)以上の開発環境でしか動作しません。但しVS2013 Expressでも、Windowsストアアプリとしてなら作成は可能です。

追記(※)Visual Studio 2013 Express for Desktopでは作成可能です。

今回はOSにWindows 8.1+Update1、開発環境にVisual Studio 2013 Ultimate+Updade3を用いています。言語はVisual Basicを使用します。

まずVS2013を起動します。[ファイル]ー[新規作成]ー[プロジェクト]と選択し、Visual Basicから「WPF アプリケーション」を選択します。「名前」には今回は適当に「WPFTest」と付けておきましょう(図13)。

図13: WPF アプリケーションを選択する(クリックで拡大)

参照設定

MainWindow.xamlのページが表示されます。今回はKinectを使用するため、Kinectへの参照を追加しておく必要があります。ソリューションエクスプローラー内の「すべてのファイルを表示」アイコンをクリックして、「参照設定」を表示させます(図14)。初めて起動した状態ではこの「参照設定」は表示されておりません。

図14: ソリューションエクスプローラーから「すべてのファイルを表示」アイコンをクリックして、「参照設定」を表示する(クリックで拡大)

表示された「参照設定」を選択し、マウスの右クリックで表示される「参照の追加」をクリックします。すると、「参照マネージャー」が表示されます。一度Kinectへの参照を追加しておいた場合は、この画面に「Microsoft.Kinect.dll」が表示されています(図15)。

図15ではすでに表示されていますが、初めての場合は表示されていませんので、「参照」ボタンをクリックして、
C:\Program Files\Microsoft SDKs\Kinect\MainV2\Assemblies
フォルダ内にある「Microsoft.Kinect.dll」を指定します。

上記の「MainV2」のフォルダも、環境によっては「v2.0-PublicPreview」という名前になっている場合があります。

図15: Kinectを一度参照すると、Microsoft.Kinect.dllが表示される(クリックで拡大)

追加した「Microsoft.Kinect.dll」を選択してチェックを付け、「OK」ボタンをクリックすると、「参照設定」の中に「Microsoft.Kinect」が追加されます(図16)。

図16: 参照設定内に「Microsoft.Kinect」が追加された(クリックで拡大)

以上で、Kinect v2のプログラミングを行う環境が整いました。次回から、早速Kinect v2の基本的なプログラムの作成方法に入ります。お楽しみに。

<編集部より> 3ページ目に一部追記しました。(2014.09.03)

薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basic プログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。
1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット PROJECT KySS を結成。2003年よりフリーになり、PROJECT KySS の活動に本格的に参加、.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindows ストア アプリを多数公開中

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。

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