JBoss jBPM Suiteのインストール
今回はjBPMをインストールした後、バンドルされているサンプルプロセス定義を使ってその動作を確認します。ハンズオン形式で説明して行きますので、ぜひ挑戦してみてください。
本記事では「JBoss jBPM 3.2.2」「Eclipse 3.3.0」「Sun JDK 1.5.0_14」「Red Hat Linux Enterprise 5.1」および「Windows XP」の環境で動作確認をしています。マシンスペックに関して、メモリが「2GB」、CPUが「Intel Core2 Duo 1.8GHz」で動作確認を行いました。メモリは512MB程度でも動作させることが可能です。
「第1回:JavaエンジニアのためのBPMツールとは?」でも説明したようにjBPMはJavaライブラリとして提供されているため、それぞれの環境のクラスパスに必要なライブラリを設定して利用します。jBPMはRed Hatから提供されている製品版があり、評価版(http://www.jp.redhat.com/jboss/eva/)での検証も可能ですが、今回は手っ取り早く動作確認を行うためJBossコミュニティで公開されているjBPM Suite(http://labs.jboss.com/jbossjbpm/downloads/)を利用することにします。
まず、jBPM SuiteのWebサイトよりjbpm-jpdl-suite-3.2.2をダウンロードしてください。jbpm-jpdl-suite-3.2.2はサンプル定義の動作確認に利用するjBPMコンソールやプロセス定義を行うためのjBPMグラフィカルプロセスデザイナ、アプリケーションサーバであるJBoss ASが一緒にバンドルされています(表1)。ダウンロードしたzipファイルを任意の場所に展開するだけで簡単に環境を作成することができます。
名称 |
概要 |
db |
jBPMからデータベース接続を行うためのサンプル設定が含まれている |
deploy |
デプロイするアプリケーションを置くディレクトリ |
designer |
グラフィカルプロセスデザイナ用Eclipseプラグインが含まれている |
doc |
jBPMやjPDLについてのドキュメントが含まれている |
examples |
アプリケーション開発に必要なサンプル集が含まれている |
lib |
jBPMが必要とするライブラリ群が含まれている |
|
|
server |
jBPMエンジンとwebsaleサンプルプロセスがあらかじめ設定されたJBoss ASのディレクトリ |
src |
jBPM製品のソースコードが含まれている |
表1:jbpm-jpdl-3.2.2の内容
リスト1:改行コードをCRLFからLFに変換
$ cd jbpm-jpdl-3.2.2/server
$ perl -i -pe 's/\r\n/\n/g' *.sh bin⁄*.sh
リスト2:起動スクリプトの実行
$ cd jbpm-jpdl-3.2.2/server
$ ./start.sh
JDKのインストールとJAVA_HOME設定
次にJDKの設定を行います。JDK 1.5.0.xを「http://java.sun.com/j2se/
1.5.0/ja/download.html」よりダウンロードしてください。すでにJDK 1.5.0.xがインストールされている場合は改めてインストールする必要はありません。
ダウンロード後インストーラを起動し、ウィザードに従ってインストールしてください。インストール完了後、JAVA_HOMEの設定を行います。
今回はアプリケーションサーバとして利用するJBoss ASの起動スクリプトに直接JAVA_HOMEを設定します。jbpm-jpdl-3.2.2/server/bin/run.sh(もしくはrun.cmd)をエディタで開き、最上段に「JAVA_HOME=/aaa/jdk/jdk1.5.0_14」のようにインストールしたJDKのパスを設定します。
なお、Linux環境の場合はスクリプト内の改行コードを変更する必要があります。リスト1のスクリプトを利用して改行コードをCRLFからLFに変換してください。
では、いよいよJBossを起動し、jBPMコンソールを確認しましょう。先ほどJAVA_HOMEを設定した起動スクリプトを実行します(リスト2)。
JBossが起動できたら「http://localhost:8080/jbpm-console/」にアクセスしてjBPMコンソールが表示されるのを確認してください。 次のページ