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未来が近づく、新世代ネットワーク!

【ネットワーク教習所】
未来が近づく、新世代ネットワーク!

第1回:新世代ネットワークとは何か

著者:シンクイット編集局

公開日:2008/03/03(月)

新世代ネットワークをデザインする、AKARIプロジェクト

新世代ネットワークを語る上で外せないのが、ネットワークアーキテクチャだ。ネットワークアーキテクチャは、ネットワークそのものの設計原理や設計思想であり、いわば未来のネットワークのデザインそのものである。

これから紹介する「AKARIプロジェクト」は、まさに新世代ネットワークをデザインするプロジェクトだ。

AKARIプロジェクトの根本思想の1つが「白紙から理想を求める」ことだ。どうしてもネットワークというと、まずインターネット、IP通信ありきで考えてしまう。しかしAKARIプロジェクトでは、現在の基盤技術、サービス、方法論にとらわれずに、社会の一部となる新世代の情報インフラをゼロから検討し、その上で現在の基盤からの移行を考えているのだ。

AKARIプロジェクトでは、図表2のような新世代ネットワークの実現を目指している。10年、20年先を見据えた未来の社会基盤を構築し、新世代のあかりとなっていくAKARIプロジェクトの活動の詳細については、第2回で公開する予定だ。

図2:新世代ネットワークの特徴(新世代ネットワークアーキテクチャAKARI概念設計書より一部抜粋)

無線が変わる、コグニティブ無線端末

新世代ネットワークを構成する技術の1つがコグニティブ無線だ。コグニティブ(cognitive)とは、認知する、認識するという意味で、無線端末が周囲の通信環境に応じて最適な周波数や通信方式を選択することができるというものである。

その他にも高度な電波の共同利用や、複数無線方式の切り替え/並行利用を実現する無線基地局など、電波の有効活用や、利便性の高い無線利用に着眼を置いた研究開発が進んでいる。

これらの研究開発は、2005年から2007年までの3年間、総務省の委託研究開発事業である「電波資源拡大のための研究開発」において、情報通信研究機構、KDDI研究所、日立製作所、三菱電機、他などにより行われた研究成果を活用している。

2008年2月には、上記開発事業の研究成果の発表、公開実証実験が行われ、多くの注目を集めた。現在は、2、3年後の実用化を目指してさらに研究開発が進められている。コグニティブ無線の要素技術や、実現できる無線環境などは、第3回で公開する。

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第1回:新世代ネットワークとは何か
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