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作って学ぶXMLデータベースNeoCore XMS実践 |
第5回:検索式を組み込んでシステムを完成させる(後編)
著者:ウルシステムズ 小松 要 2006/4/21
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システム全体の構成や開発の進め方はRDBのシステムと変わらない
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今回、企業システムの構成として広く使われている3層レイヤの構成を採用し、開発の手順を要件の定義から設計、実装へと進めてきました。このようにシステム構成や開発の進め方は、RDBを使用するシステムと大きな違いはありません。
XMLDBを採用することが決まっても、システム構成や開発の進め方については今までの知識や経験を十分に活用することができ、RDBとの違いを意識する必要はありません。
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データベース問い合わせ言語としてSQLでなくXQueryを使う
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実装の際の最も大きな違いは、RDBでの検索がSQL文で行われるのに対してXMLDBへの操作はXQueryで行われるという点です。XQueryはXMLDBを扱うエンジニアの必須のスキルになります。
複雑な検索や効率的な検索を行うためには、XQueryについて高いスキルが必要になりますが、これはRDBの場合でも高度な利用の際にSQLについて高いスキルが必要となるのと同様です。
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スキーマの設計は不要だがXMLデータ構造の設計は必要
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NeoCoreXMSのようにスキーマ設計が不要なタイプのXMLDBは、任意の構造のXMLデータを格納することができます(スキーマ設計の必要なXMLDBもあります)。これによってシステム設計のための作業が楽になり、スキーマ変更も容易なので仕様変更に強いというメリットがあります。
もちろんシステムで自動処理可能とするので、XMLデータの定型部を設計する必要はあります。しかしRDBのスキーマ定義に比べるとずっとおおまかな定義で済ませることができます。
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関連するXML標準についての知識が必要
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XMLデータ構造の設計の際に重要になるのは、すでに規定されているXML標準についての知識が必要になることです。今回提案書作成ツールとして使用したOpenOffice.orgのImpressでは、XMLベースのオフィス文書フォーマットの国際基準であるODF(OpenOfficeFormat)を採用しています。
もちろんこの他にも数多くのXML標準が定められており、それらへの対応についても重要です。例えば財務会計であればXBRL、旅行業であればTravelXMLなどがあります。
今回作成したような非定型業務を支援するシステムは、RDBを中心とする定型業務支援に比べて、あまり手が付けられてこなかった領域です。読者の中には、このような非定型業務を扱うシステムを構築する場面に遭遇し、データをRDBに格納するために苦労しながらスキーマ定義をしてなんとかシステム化を行ってきた経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
そのような経験を積まれてきた方にとって、スキーマ定義が不要という性格を持ったXMLDBを使ってRDBを使用したシステムでは絶対に必要なスキーマ定義をする必要なく、データの登録が簡単にできるというのはいい体験になるでしょう。逆にこれまでこうした非定型業務支援のシステムに縁がなく、今回のサンプルも無理な想定をした事例のように思えて、現実にどれほど必要性があるのかよくわからないという方もいらっしゃると思います。
そこで次回は想定事例ではなく、実際に非定型業務のシステム化にXMLDBを適用した事例を紹介しながらその疑問に答えたいと思います。
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著者プロフィール
ウルシステムズ株式会社 小松 要
ビジネスとITのギャップを埋めるITコンサルティングを行うコンサルタント。お客様の現場に対してIT活用の最適解を常に提供するコンサルタントを目指し日々奮闘中。現在は、もっぱらXMLDBの可能性を模索中。
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