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> 情報システム構築としてのBPMとは
多角的に考察する BPM再入門
第1回:4つのアクティビティで捉えるBPM
著者:
メタジトリー 丸山 則夫
2006/4/27
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情報システム構築としてのBPMとは
情報システム構築の話題におけるBPMは再構築(それもシステム再構築)が中心となります。プロセスの標準表記法(BPMN)を使ってBPELやXPDLを生成し、SOAとしてシステム構築ができるという展開です。
これはBPMとしての重要な機能ですし、このシリーズでも今後詳しく解説を行いますが、あくまでBPMの活用の一部分にすぎないのです。では4つのアクティビティについて解説していきます。
図2:情報システム構築としてのBPM
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
業務遂行:日常業務遂行のためのワークフロー
日常業務の確実な遂行を行うために有効なのが「ワークフロー」です。BPMのワークフロー機能は、誰がいつ何を誰に仕事を依頼したかを記録しリアルタイムに活用します。
このデータを使うことにより、利用者は自分の仕事が今どのくらい溜まっていて、いつまで行わなければならないかが明確になります。そのため、依頼した仕事の進捗も把握できるので自分の仕事を管理し、確実に計画的にもしくは、突発的な事態への迅速な対応ができます。
また実施した業務の状況はデータとして記録され、個人個人の実績が明確になります。ワークフローには業務ルールを設定することにより、複雑な業務の流れをコントロールします。
業務管理:日常業務を効率的に遂行するためのリソースの最適化
BPMは業務プロセスの鳥瞰とその個々の業務活動状況を可視化します。ワークフローの各アクティビティの定義はそのためのセンサー(測定単位)となります。リソースを最適化することにより、例えばマネージャーは全体の仕事がスムーズに流れているかが把握できるようになります。
全体の仕事の状況をマネージャーはデータもしくはデータを元にしたビジュアルな形ではっきりと認識し、スムーズに仕事が流れていないところや滞っているところを発見し、リソースの調整を行います。またデータを累積して分析することで、計画的なリソース管理を行います。
業務改善:業務再構成
設定したワークフローのある部分にストレスがかかることが恒常化し、またあるアクティビティの機能の低化傾向が見られるようになると、日常のリソース管理では手に負えない状況になったといえるでしょう。
その対策としてワークフローの見直しを行います。アクティビティとしては問題がない場合は、フローの変更やルールの変更により改善をはかります。改善前をASIS、改善後をTOBEとすると、その効果を事前にシミュレーションで確かめ、改善が確実である確信を持ちます。
BPMは業務プロセスを可視化(モデル化)するので、モデルを使い容易にシミュレーションが行えます(製品の機能として用意されているものがあります)。
業務改革:業務の再構築
ビジネス環境の変化により、現行プロセスでは適切な対応が無理な状況に陥りることが発生することがあります。そのためBPMSではビジネスプロセスの抜本的な見直しをモデルベースで行います。
BPMSではビジネス層と情報システム層を明確に分離します。情報システムの大規模な変更が必要となる場合、どうしても業務改善への対応時期が遅くなります。迅速な対応を行おうとすると、動いている情報システムをなるべき活かしながらもビジネス層での再構築を実施する必要があります。
そのためにEAIやSOAとの連携が有効となります。サービスやアプリケーション要求から既存システムの情報を紐付け活用する発想です。
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著者プロフィール
株式会社メタジトリー 代表取締役社長
日本BPM協会 理事 丸山 則夫
経営と情報システム連携をコンセプトとして、システム再構築のコンサルティングビジネスを実施。
ビジネス・プロセスに着目したBPM(ビジネス・プロセス・マネージメント)の活用が情報化社会の進歩に必要と捉え、市場定着とそのための組織化を推進中。
INDEX
第1回:4つのアクティビティで捉えるBPM
BPMを基本定義する
情報システム構築としてのBPMとは
システム全体の再構築
開発方法論