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| 4. BPRポイントを抽出して実施方法を検討する | ||||||||||||||||||
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次に、情報システム導入後、運用改善後の評価を行う(詳細は「第2回:業務プロセスの改革方法とその効果」を参照されたい)。 今回の事例では、BPRを検討する視点として、表5にあげるように「統合・廃止」「確実化・厳密化」「簡素化・削減」「集約・集中」「分散化・自己責任化」「連携・同時処理」「効率化・自動化」「汎用化・標準化・パターン化」などがある。
表5:決裁・文書管理事務のBPRポイントの例 そして、BPRポイントに基づいて、表6のように具体的なBPR方法を洗い出す。
表6:決裁・文書管理事務におけるBPR方法の例 さらに、決裁・文書管理事務における「収受・発議 → 起案 → 回付 → 施行 → 保管・保存 → 廃棄 → 情報公開」の段階ごとに、改善すべき個々の課題(事務運用ルール・事務プロセスなど)を明らかにして各々のBPR方法を具体化する。 ここではBPR方法のうち、情報システムによって実現すべきものを「システム機能要件」として整理する。まとめられた項目は、システム調達を行う際の仕様の基礎資料になるほか、運用・保守におけるサービスレベル(SLA:Service Level Agreement)を決める際にも活用できる。 |
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| 5. BPR前後の効果を析出する | ||||||||||||||||||
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決裁・文書管理事務をBSCに基づいて各々の効果を測定すると、図4のレーダーチャートのようになる。 ![]() 図4:決裁・文書管理に関する評価結果の例 一番内側のチャート(網掛けの濃い箇所)は、「現状」を示している。次の「システム化後」は、情報システムを導入するだけの場合、どれくらいの効果があるかを示している。一番外側の「運用改善後」は、情報システムの導入の際にあわせてBPRを実施した場合である。 図4の分析結果からわかるように、情報システムを導入しただけだと、総合得点で50〜60ポイントに留まっている。一番外側のチャートは、「運用改善後」つまり情報システムの導入に併せてBPRを実践したときの効果である。情報システムの導入に併せてBPRを行うか否かで、約20〜30ポイントの差が生じている。 特に注目して欲しいのは、この情報システム導入前後のギャップである。情報システムを導入(調達)する側は、当初の期待値として、この一番外側のチャートをイメージしがちだ。しかし、BPRにまで手が回らない(あるいは、面倒なのでBPRを実施しない)場合には、情報システムを導入するだけの効果しか得られない。 この期待値のギャップが20〜30ポイントも開いてしまうと、情報システムのベンダーに対する不平・不満が高まるだけでなく、情報システムを導入した後も使いこなせなくなってしまう。 |
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| BSC実践の留意点 | ||||||||||||||||||
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本来、BSCは全社的に導入して大所高所に立って経営戦略を行うための管理手法であるが、個別事業・サービス別や部署別に活用することもできる。今回紹介してきたように、情報システムの導入において、BPR実施の有無でどれくらい効果が異なってくるか、視覚的に分かりやすく表現することが可能である。 また、目標に対する業績評価や進捗管理で効力を発揮するため、経営層と現場との間をつなぐ管理ツールとして導入を進めている企業や公共機関も少なくない。しかしながら、目標の設定にあたっては、現場主導で行うと全体的に甘くなり、経営層・管理部署が定めると厳しくなる傾向がある。 現場の意見に耳を傾けつつも、経営層・管理部署が主導してBSCを実施するのが望ましい。そして、目標と現実のギャップの現実を直視し、何を見直して、どのように改革すれば効果を引き出せるか、具体的な数値ではかりながら取り組めば、社内だけでなく情報システムのベンダーとのコミュニケーションも容易になるだろう。 さらに重要なポイントは、BSCによるBPR実践の取り組みをサイクル化することである。ここで作る戦略マップや指標は、現在の問題点や課題を克服するために設定されている。 単発・単年度でBSCを活用してみる事例は多い。指標を用いた達成状況は毎年、戦略マップや指標の見直しは難易度にもよるが2〜3年くらいを目安に見直し、継続的に取り組むことが重要なのである。 次回、BPR実施のための推進主体のあり方、評価・分析の留意点と、実際にBPRを実現した後の形態として、代表的なアウトソーシングの取り組み方を紹介する。 |
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