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| 多角的な観点からの性能確保への取り組み | ||||||||||||||
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現有資産の有効活用という問題はもちろんだが、このシステム再構築の最大の課題はレスポンスを中心とした性能確保であった。再構築後の新システムでは、1,400台の拠点サーバが100台のセンターサーバに集約され、そこに38,000台の端末が直接接続されることになる。ブロードバンドネットワークと高性能なハードウェアを前提としても、徹底した性能検証が求められたのである。 具体的には次のような課題に取り組んだ。
表1:本案件で取り組んだ課題 センターサーバの処理性能については、既存システムにおけるAPサーバの起動ログから実際の稼動トランザクションを抽出し、数ヶ月に渡りベンチマークテストとチューニングを継続的に実施した。 データ量の増大については、標準的なHTTP圧縮からSOAP通信におけるHTTP圧縮の独自実装、.NET独自の特徴であるViewState(注2)の抑制などを検討し、それらの効果を64〜128Kbpsの専用線を用いた性能検証で確認した。
※注2:
Webフォームの状況を永続させるためにASP.NETで使用される、Webブラウザでのアプローチ バッチ処理方式については、既存の環境にバッチ処理をスケールアウトする仕組みが存在しなかったことから、1つのJOBを拠点グループに分割し、並列実行する基盤ソフトウェアを開発、運用許容時間内でのバッチ処理完了を実現した。 他にストレージサーバ内の物理デバイスに対する負荷分散、トランザクション集中に伴うデータベース間のロック競合やデッドロック対策に取り組み、リスク軽減をはかった。 |
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| マイグレーションの効果 | ||||||||||||||
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B社の事務系システムの再構築は、当初では開発期間を24ヶ月として計画されていたが、最終的には21ヶ月で本格稼動となった。このWebシステムの稼動により、基幹系業務システムの所要サーバ台数は従来1,400台から100台となり、運用コストの大幅な削減を実現した(図2)。 ![]() 図2:.NETへのマイグレーションで実現されたサーバの集約化 開発コストについても、一からすべてを再構築する場合に比べて効果がでている。実現可能性検証フェーズより整備してきたアーキテクチャ吸収機構でVisual Basic資産を既存ソフトウェアのラッピングでCOBOL資産の再利用を最大限はかった結果、50%の削減を達成したのである。保守局面でも、.NETフレームワーク上の開発による保守生産性の向上が見込まれている。 駆け足ながら、2回に渡ってメインフレームとクライアントサーバ・システムそれぞれについての大型マイグレーション案件の事例を紹介した。次回は視点を変え、これらの成功事例を踏まえながら、いわゆるレガシーマイグレーションを実行する上での落とし穴や一般的によく見受けられる問題点について紹介する。 |
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